進撃 あなたの為に
□駆逐してやる
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悲鳴を上げながら逃げていく人々。
一部の兵士も、それを手伝う形で舟の方へ駆けていく。
アリエラの前方……
壁の方では、ちらちらと巨人の頭が見えていた。
………本当に、壊されたんだ。
ハンネスさんをはじめ、一斉に飛び去っていく駐屯兵を見て、彼女は思ったより冷静だった。
「……私も、行かなきゃ」
訓練兵とはいえ、現場に居合わせたのならそれが宿命なのだろう。
地獄ともとれるこの光景を見て、兵士となったアリエラはそう考える。
そして彼女は、腰につけていた立体機動装置のワイヤーを、建物の屋根に突き刺した。