ウサギの物語

□二人の少女No1
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 菜摘サイド

「ねぇねぇ、君、いくつ?」

 菜月と別れ、歳が近そうな男の子の近く来たは良いが、なんと声をかけたものか…と迷い、助けを求めるように菜月の消えたほうを見つめていると、後ろから声をかけられた。
 見ると、同い年くらいの男の子が自分を見てニコニコしていた。声をかけたのはこの男の子のようだ。

「俺は、もうすぐ12歳だよ!」
「あ、私も11歳。菜摘って言うの。」
「俺はゴン。よろしくね!」
「うん。よろしく、ゴン君!」

 菜摘はもうすっかりゴンと打ち解けていた。
 ゴンで良いよー、なんて言って笑うゴンに、じゃあ私も菜摘って呼んでーと言っている。

 ジリリリリリリリリリリリ

 突然大きな音がし始めたときには、もうレオリオと言う老け顔の青年と、クラピカと言う美青年との自己紹介も済ませてあった。

「始まるみたいだねぇ。行こうか。」

 菜摘が緊張感のない声で言うと、レオリオに、もう少し緊張感を持て!と怒られた。
 菜月は大丈夫だろうか、と考えていると、ゴンたちにおいていかれそうになってしまった。話を全く聞いていなかったのは、内緒。
 走り始めて少ししたら、最初に話しかけてきていたトンパが、また話しかけてきた。

「なぁ、アソコにいるやつ、連れか?凄い睨んで来るんだが…ヒィ!」

 トンパさんの見ているほうを見ると、さっきから別行動している菜月が、確かに2人…いや、トンパを睨んでいる…というより殺気を放っている。

「あれ、私の双子の妹だよ。全然似てないんだけどね。菜月っていうんだ。」

「姉ちゃん?そ、そうか…。」

トンパさんが返事した途端に殺気が強くなった気がする。
そのときの菜月の気持ちを、菜摘が知るはずもない。
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