ウサギの物語
□二人の少女No2
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菜月
「菜摘、トンパ、借りてくね。」
菜月は、菜摘に声をかけると、自分の体重の2・3倍もあるとんぱを引きずって、あまり人に目に付かないところへ引きずっていた。
「何だよっ」
トンパが抗議の声を上げると、菜月は遠慮なくさっきを流出した。我慢していた分もあって、暗殺一家も少し血の気がうせる量だ。
「何か、だと?分からないのか?お前ほど鈍いやつは初めてだ。良いだろう、はっきり言ってやる。菜摘には2度と近づくな。もし近づいたら、お前の命はないものと思え。いいか?」
「お前、シスコンだったの…か!?」
「私の前に現れるな。私の目の端にでも入ったら、次は殺してやる。私は2歳の時、両親を殺した。情けなどはないぞ。覚悟しろ。」
菜月は何処からか出したナイフをトンパノ首筋いに突きつけた。
「ひぃっ!わ、わかったよ。もうしないさ」
トンパは菜月がナイフを首から遠ざけると、あっという間に逃げ出した。
「キルア。立ち聞きはいいことだっけ?」
「あれ?ばれてたんだ。おっかしいなぁ、気配なら消したはずだけど」
「私には通用しない。」
「あっそ。」
スタスタと菜摘の所へ戻ろうとすると、キルアはちょっと走っておいついてきた。
「待てよ。さっきのって本当?」
「答える義務はない。」
「俺はあるよ、人殺したこと。」
「知ってる。」
暗殺一家のエリートともあろうキルア・ゾルディックが人を殺したことがなかったらおかしいだろう。知っていてしゃべっているのだし、相手のことを何も知らずに動くような無鉄砲な菜摘見たいには生きたくない。
なぁ、教えろよ、なんて言っているキルアはおいておいて、菜月はまっすぐに菜摘の所へと走った。
また変な虫がついたらタイヘンだ。まぁ、あの黒髪の少年と金髪の青年、あとおじさんは大丈夫だろうけど。
「なぁ、」
「しつこい。」
ちぇ、っと見えてきた菜摘たちのところにスケボーで行ってしまったキルアの背中を見ながら思ったことは内緒。
(何でハンター試験を受けてるのか教えてくれたら、教えてあげてもいいかな)