紅蓮の弓矢(LONG)

□eins
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『あらら、ヤバイかも』


広大な大地に1人の女が焦った表情をしながら腰の辺りに付いている何かの装置をカンカンッと叩いて呟いた


『立体機動のガスはほぼ空か…壁まで後少し、お前だけが頼りだよ』


そう言って遠くを見据え隣に居た馬の鬣(タテガミ)を撫でてからその背中に飛び乗った






3時間後トロスト区内



「チッ、残り7〜8体ってとこか」


民家の屋根の上から周りを見渡し男が舌打をしながら呟いた


「手間掛けさせやっがって…」


『いやぁぁぁぁああああ!!!!!』


突然男の後方から悲鳴が聞こえ振り向くと巨人に掴まれた一人の女性兵士の姿が見えた


「チッ!ぺトラの野郎ヘマしやがったな」


ガシャッと刃を抜き屋根から飛び降りワイヤーを使って宙を舞う


「クソッ!間に合わねー」


ぺトラと呼ばれた兵士は既に巨人の口に収まろうとしていた
巨人が口を大きく開いた時突然巨人の後方から血しぶきが舞いぺトラを掴んでいた巨人の手の力が緩み掴まれていた体が重力によって下へと落ちる
地面に叩き付けられる寸での所で誰かに抱きとめられシューッというワイヤーの音がし上空へと飛んだ


『ゲホッゲホッ』


屋根の上で体を下ろされ激しく咳き込みながら助けてくれた人物を見上げる
砂埃で視界がぼやけるが微かに見えた背中



そこには自由の翼



『まったく…あなたの王子様は何してんの?』


クスッと微笑みその人物が振り向いた


『名前!!!』


ぺトラの顔がパッと明るくなった


「おい!!」


先程の男がぺトラへと駆け寄る


『ハァ…遅いよリヴァイ』


名前と呼ばれた女が呆れた様に言った


「おま…え…生きて」


リヴァイが驚いた様に名前を見上げた


『いつも言ってるでしょ?あたしはしぶといのよ。あなたの大嫌いなカビみたいにね』


名前はクスクスと笑った

















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