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□電波発信中。
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「よこ。」


「…うん。俺よこやな。」


よこに指をさす。


気に入らないな、その反応。


「真っ白。」


「っさいなぁ!なんなん!?さっきから。」


あ、ちょっとふてくされた。


真っ白は地雷なのか。ふむふむ。


「よこ、くちびるぷるぷる。」


「もうさっきから馬鹿にしとるんか!アホ。」


「ううん。よこのいいとこ探してた。」


「はぁ!?」


「あとね、黒髪のがいいよ。私、好き。」


「…照れるんやけど。素面で言われると。」


「うん。好き。大好き。あとよく目が死んでる。」


「それは悪口やろ!めっ。」


うーん。流れでスルーしないか。


時々よこに冷たい目で見られるの悲しいんだよ。


「よこ。」


「もぉなに!?」


「キス、していい?」


「うん!?」


「なんか、したくなった。」


「まっ、まぁええけど。」


確実に照れてる。わーきゃわたん。


でもな、身長が足りないな。


すっごい背伸びしてやっと。


これじゃ1秒もキスできない。


「よこ、空気イス。」

「つっら。」

「で、目つぶって。」

「無視かい!ま、わかったけどなぁ。」


ちゃんと言った通りにしてくれた。


べっぴんさんだな。


とりあえずよこが崩れ落ちる前にキスしよう。



空気イスのよこに、軽くキスをする。


柔らかいな。

暖かいな。


今すごい幸せだな。


ずっと続いてくれればいいな。


「…ぷはっ。」


息が苦しくなってきたから離す。


「よこ途中緊張してきてなかった?」


「…ばれる?」

「うん。」

「そ。」


まぁ柔らかいのにかわりはないけどね。


「よこ。」


「はいはい。」

「キス、して。」


「…俺が春歌に?」

「それ以外になにがある。」

「それもそやな。」


よこはぐっと私の頭をよこの頭によせた。


で、止めた。


わー、まつげながい。

色白い。


…目のやり場は何処。


「そんな簡単にしてやるか。」

「けち。」


「それはヒナの枕詞や。」

「ふん。」


すねてやる。

っていうか頭もったままやめてほしい。


なんかやだ。


「この距離、つらい。」


「そう?これはこれでええやんか。」


「…感覚は、人それぞれだよ。」


「まぁそやけど。」


言い返そうとしたら勢いでキスされた。


ちょ、息吸ってない。


「っ…。」


ニヨニヨ笑ってるだろ。


不意打ちはやめて。心臓に悪い。


「…寿命、縮まった。」

「平気やって。」

「よこ。普通のキスでいい。」

「普通じゃない春歌が言うなや。」


「普通じゃない私とつきあってるよこも大概。」


「…ほんまやなぁ。」


電波発信中。
 

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