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□水筒と、部活と、夏と。
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学パロ/先輩マル×後輩夢主さん



私は部活のマネージャーをしてる。


中学生の頃は私も陸上部員だったんだけどちょっと怪我しちゃってそれ以来はあんまり走らなくなった。


でも、中学校のときの先輩に誘われてマネージャーという形に落ち着いた。


でも、嫌じゃない。


速い人が走ってるのを見るのは気持ちいいし、外から見てると発見もある。


夏休み明けにも大会はあって今はみんな調整中。


「あー!疲れた。」

「あ、お疲れ様です。タオルいりますか?」

「うん。ちょーだい。」

「わかりました。ちょっと待って下さいね…。」


肩にかかってるスポーツバッグのなかのポーチ(?)からタオルをだす。


しっかり洗ってるよ。


「はい、どうぞ。」

「あ、さんきゅ。タオルもふもふ。」


「そうですか?あ、まだ暑いんで水分補給忘れないでくださいね。」

「あいあいさー。」


結構走ってたのに軽い足取りで荷物の方に走ってる。


元気いっぱいだな、と眺めてると遠くから見てもわかるぐらい衝撃を受けてた。


どうしたんだろう。


持ってるのは水筒だよね…?



ブンブンと縦や横に水筒を振ってる。


まさか中身ないとか?




だったら大変。

倒れたりしちゃうかもしれない。



「丸山先輩どうしましたっ!?」

「あ、如月ちゃん!?水筒の中身がな?はいってへんねん。」


「ですよね!?水分補給はしなきゃだめですよね。」


二人いるのに沈黙が続く。


お互いの目をじーっとみる。


やだ、なんか照れる。


「あ、私の水筒の中身でいいですかね?スポーツドリンクですけど。」


「ええの?如月ちゃんのやろ。」


「いいですよ。私もうあんまり飲まないと思うんで。」


「じゃあちょーだい。」



ストレートにいってくれた方がこっちもやりやすいんだ。


バッグの中から水筒を出して振ってみる。


よし。まだ結構入ってる。


「はい、どうぞ。」

「あ、どうもぉ。」


丸山先輩が私の水筒を持って急に固まった。


「一応聞くけど間接キスとか気にせぇへん?」


「えっ…。あ、えと。丸山先輩だったらいいですかね…?」


「ぎっ、疑問形なん?まぁ、もらうね。」


てへ、と笑って丸山先輩はぐいっと飲んだ。


いい飲みっぷり。


「ぷは、ごちそうさまでした。」

「おそまつさまでした。」



丁寧に水筒を返してくれた。


「如月ちゃんありがとな。」

「いえいえ。」

「如月ちゃん大好き。」


「え…。」



聞き返そうとすると先輩は走っていってしまった。




ものすごく、恥ずかしい。



残された方の身にもなってくれ。



水筒と、部活と、夏と。




丸夢ばっかですね、最近。
 

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