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□ブルーハワイ
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「暑いね。」

「うん、そやね。」


そう呟く。

こんなに暑いのに、私達は出かけてる。

二人揃ってアウトドア派がこの状況にした。


だってこんなに天気いいのに外出ないとかもったいない。

特に最近はどしゃ降りの雨多いし。


「ヤス、でも暑いよね。」

「なぁ。暑くてしゃーないね。」

「手繋いでるからもあるよね。」

「…それ僕も思ったぁ。」


いつもなんとなく手は繋いでる。

ばれたりするとか思うんだけど、帽子被るだけで気づかれないんだよね。


あとどこか学生っぽいって言われる。

二人とも背ちっちゃいから…。


あまりの暑さに手を離す。

どこかさみしい気がしないでもないけど隣にいるから安心。


「冷たいもの欲しい…。」

「あー…春歌の言ってること分からんでもない〜。でも耐えたいぃ…。」

「あぁぁ…。かき氷食べたい。」

「もー言うなやっ!どっかで食べよ。」

「やったー!!」

二人でかき氷が売ってそうなところを探す。


クレープ屋で売ってるらしくヤスが嬉しそうに隣でわちゃわちゃしてる。

「春歌!!かき氷、食べよ!」

「うん。食べよ。」


かき氷ではしゃぐヤスがなんか子供っぽくてかわいい。

まあ私も内心喜んでるけどね。


「春歌なに味がええー?イチゴ練乳とか?」

「あっ、買ってきてくるんだ、ありがと。」

「当たり前やんw」


笑顔でそう言ってくれるところにきゅんとくる。

この笑顔本当に好き。


「それでなに味にするん?」

「ブルーハワイ…かな。」


そう言うとヤスは少し驚いたような顔をした。

そんなにイメージじゃないかな…?


「いっ、意外だった?」

「おん…。イチゴとかやと思ってた。」

「っていうかね、青が好き。ヤスの色だしね。」


何気なく言った言葉にヤスはニコニコとしてた。



「なんか…春歌の愛って暖かいわ。」

「えっ何急に。でもありがとう。」

「えへへ。かき氷買ってくるなぁ。」


そう言ってヤスはパタパタと走っていった。


見てるだけで笑顔になれる。


私の愛が暖かいっていってたけどヤスの愛も充分暖かいよ。


お店の人に身振り手振りつきで注文してる。

最後に「ありがとうございます」って言ってるのが見える。


「春歌はい。」

「ありがと。」

溶けないように持ってくれてるのが優しい。


ストローをスプーン形にしたものを口にいれる。

冷たくて美味しい。


「もう夏だね。」

「なぁ。」


ブルーハワイ


あっ、舌真っ青。
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