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□You say it's your birthday.
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誕生日。

ちょうど深夜12時。

とうとう、とうとう俺の誕生日がきた!!


うん。ヤスからはもうすでにメールがきた。
女子かっ!って言いたくなるくらいぴったしに届いた。

やっぱり優しいわ。


今俺、横山裕は彼女…春歌からのメールを待っています。



来ないわぁ、と飲み物でもとりいこうかと立ち上がった瞬間ケータイが鳴った。


「うわっ!これ来たんとちゃう?」


急いでケータイをとると、お相手は自分が思っていた人だった。

メールかなと思っていたが、電話だった。


「はっ、はい。よこ…やけど。」


あああああああああ、なんでこうゆう時に落ち着けないんやろ。


『ねっ、生きてる!?』

「…はぁ!?」


俺の耳に入った第一声は生きてる?だった。


「いや、生きてるけど。」

『はぁー、よかったぁ。』


こっちは全っ然ええ気持ちではないけどな!

なんやねん、誕生日に彼女から生きてる?って。

「あのー春歌?なんでそんなこと聞くん?」

『えっと…。』


渋る春歌に不信感をちょっと抱く。


そのせいか声のトーンがいつもより低くなっていたらしい。

「何かあったん?」と問いかけると、うめき声が聞こえた。


『そのぉ〜…夢で裕くんが死んじゃう夢みて。本当になっちゃったら!って焦った。』


「俺死ぬと焦るん?」


『だって大好きだもん。』


さらっと聞こえた言葉に一人で悶えている。


その言葉だけで充分やわ。

『でも本当に生きててよかった。こんな夜遅くにごめんね。』


「おっ、おお…。それはかまへんけど。」


おめでとうの一言がほしかった気もする。


やけど大好きが聞けただけで充分か。


「じゃあおやすみ。」

あきらめて「おやすみ」と言うと電話の奥で息がもれた。


『裕くん、お誕生日おめでとう。』

「あっ、ありがとう…!!」


最後の最後で言ってくれた言葉にキュンときた。


どうしようもないくらい嬉しい。

『生まれてきてくれてありがとう。』


「えっ…!」


何今の。めっちゃかわいいやん。

ブツッと電話はきられてしまった。


多分自分で言って恥ずかしくなったにゃろうな。


あー!今年の誕生日めっちゃ幸せやわ。



You say it's your birthday.


end.
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