short

□優しい君は。
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大抵の噂ならなんとも思わない。
噂だって信じられる君だから。

そんなことで挫けてたら君を好きでなんていられない。


君は私と表裏一体だって言ってくれた。

私はいつでも一緒だよ。



いつものように改札を抜ける。

人混みに飲まれながらホームへと向かう。


ふと目に留まった君。


CDがまた出るのかな。


薄っぺらい紙に印刷された君の優しい笑顔。



もうその笑顔は私に向くのかな。

君と笑いあえるのかな。


「あっ、ねぇねぇ。またCD出るみたい!」

「ほんとだ!初回買わなきゃね。」


君のこと話してる女子高生。

君のこと好きだそうです。


手の届かないとこにいる君のこと、まだ忘れられないんだよね。


キラキラスマイルにやられちゃう。


それがペラペラの紙に居る君でも。



また数日たって君を見た。


それは週刊誌のゴシップニュース。

どこで見つけたのかは知らない。


でもこんな戯言なんて無視しなよ。


この前君のことかっこいいって言ってた女子高生は「サイテー」なんて。


結局は日和見なんじゃん。

それも仕方ないか、と思いながら今日も電車に揺られる。


またテレビで、ラジオで、君の笑顔を見せてくれたらそれでいいから…。



優しい君は一人で抱え込んで、抱え込みまくってそれでいてきっと寂しいんだ。

メンバーの人が居るから大丈夫かな。


いっそのこと死にたいなんて思ってないかな。

心配で仕方ないです。
君は笑顔で何でも隠してしまうから。


でもそんな君でも好きだよ。

たとえこの思いの先にあるのが汚れた未来だとしても。


たとえ君と私の過去は隠してしまいたいものだとしても…。



end…?
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