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□『勇気』に嫌われた少女。
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この話は多少のいじめ表現がございます。
苦手な方はお戻り下さい。


学パロ



「いじめないでよっ…。」

「うるさいわね。黙っていじめられてなさいよ。」


高校2年に上がってから、私は急にいじめられるようになった。


その理由は横山くんたちと仲がよさそうだからなんて理由で。



私だって片想いなのに。そんな思い込みでいじめないでよ。

それに意味がないことは知ってるけれど。


心の中でそう思ったって、実際は怖くて仕方ないから。

震えながら誰にも言えずにいるんだ。


でも独りだと堪えきれない。

だから必死で隠して、ごまかしてるんだ。


安「春歌〜。」


廊下の方で私を呼ぶ安田くんの声がする。

その声でパッといじめをやめ、私を一瞬睨んで何でもないふりをする。


それが嫌なんだけどな、と思いながら服についたホコリをはらう。


安「春歌?」


「あっ、安田くん。帰ろっか。」

無理に笑うけど安田くんは気づいてそう。


安「…そうやね。昇降口でマルも待ってるから。」


「ね。あ、傘忘れちゃった。」

安「あー、僕もや。」


私は急いでこの教室を出る。

この人達と居たくないから。



急いで階段を降りる。急いで靴をはく。


丸「あ、如月とヤス。」

「あ、マルさん。待たせちゃってごめんなさい。」

丸「ええよええよ。そんな待ってへんし。」

安「なぁ、傘持ってる?」


丸「…持ってへんわ。」

仕方ない、濡れて帰るか。と三人で走った。


一応これでもバスケ部だからついていけるぐらいには走れる。


久々に走るとなんだか気分がスッキリした。


校門をでて結構走ったあたりでぐしゃぐしゃになった段ボールが目に入った。


水分を含んでしまっていて汚い。

「あれ…。動いてる?」

安「ほんまや…。もしかして捨て犬かなぁ?」

「だったら大変!」

大急ぎで段ボールを漁ると段ボール同様、水でぐしゃぐしゃの子犬がいた。


その犬の目は私に怯えているようで、自分に重なって見えた。

「どうしよう…。」

丸「とりあえず雨宿りした方がええと思うよ。」

「そう…ですよね。」


そうして最寄り駅のガード下に走った。


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