Luvholic

□Luvholic
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YH side



『ジェジュン!!早く乗れ!!』




助手席から体を乗り出し腕を掴み強引に運転席に引きずり込んだ



筋肉をつけた肉体を自慢げに見せていたあの頃とは違う感触



それが俺の隣から姿を消してからのジェジュンの過ごしてきた日々を表しているかのようで胸が締め付けらる



『おい!!ユノ!!どうするつもりだ!!』



ロックしたドアを叩くマネージャーの悲痛な叫び声が聞こえる



『ジェジュン!!車を出せ!!』



『…う、…うっ…、…』



焦点が合わない目から涙を流し狼狽えるジェジュンの肩を強く揺さぶった




『ジェジュン!!ジェジュンア!!!!』




『……ユ……ユノ?』




『車を出せ!!!!』




自分の意識を取り戻すかのように一度だけ頷き車を急発進させた







人通りもなかった…

車も一台も通っていない…

あそこにいたのは俺たち4人だけ

だれも気付いていない…






子供の頃から人一倍正義感が強いと周りに言われそれが俺の代名詞みたいなものだった




自分に対しても他人に対しても道理を外れる事が一番嫌でメンバーや後輩に諭すのが自分の役目だと思っていたし正しい道を進めばおのずと正しい答えを出せると信念をもって生きてきたんだ




それなのに…




俺がとったその行動に自分が一番驚いていた



外から気づかれないように助手席に身を屈めたまま後部座席に横たえた女性を見た



気を失ったまま動かない



一番に考えなくちゃいけないのは彼女の事のはずなのに…



だらりと下に垂れた腕に恐る恐る手を伸ばし手首に触れ脈を確かめる




トクン、、トクン、、、




規則正しく脈が触れるのを確認して痛いほどに張りつめていた緊張感がほんの少しだけ緩んだ




車のスピードとは対照的に静まり返った車内



ハンドルを握るジェジュンの横顔を見る



上着から伸びた首があまりにも細く頼りない…





ジェジュン…





胸の奥が苦しくなる、





今はこれ以上俺たちの進む道の前に障害を作るわけにはいかないんだ…
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