トリコ 短編

□モノズキ→ラバーズ
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まわり一帯が針地獄かの如く。
ここは非愛の森 ソーンウッドの
中にある、美食會 本部。










「これにて会議は終了だが…全く。ワシを目の前にしてこの集まりの悪さ。」





料理長のクロマドが深いため息をついた。






「お前らの神経の太巻き具合には頼もしさすら覚えるわ」






そのすぐ近くで




「カカカ!副料理長は毎回出席が悪いからなァ!遅れないのはスタージュン様だけだ」




と、ジェリーボーイが大口を開けながら
笑った。







本部での会議が終わり、皆々席を外す。




副料理長補佐であるリンも
ボスへの食事を作るべく席を立とうとすると、






「 リン、 」




クロマドに呼び止められた。






「はい、クロマド様」




「悪いがトミーに今回の資料を渡して置いてくれんか。今度こそIGOより先に我々のグルメ細胞の壁を打ち破る食材を手に入れなければならないからな」






「承知致しました、トミー様に伝えておきますので」



この頃トミーロッドが忙しくしているために、リンは密かに想いを寄せている彼に会えない日が続いていた。

なので、どんな少ない時間でも、
彼に会いに行けるのなら、それは素直に嬉しかった。






また、前々から リンの気持ちを知るクロマドは それを見かねて








「と、言うのは口実で、それはそうと、まぁこれはワシからの気遣いだ。ハハハ」



と悠長に笑った。






「な、ちょっ!そ、そんな、クロマド様!」



「なんだ、要らぬ気遣いだったか?」









「い、…いえ。ありがとうございます…」












動揺しワタワタする リンを
よそにクロマドは笑いながら去っていった。



「も、…もう」














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