トリコ 短編

□いちごましゅまろ!
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「ストーブの調子はどうだ、ジョージョー」



「は。今のところ故障等の気配はありません、暫くはこのストーブで大丈夫かと」




「そうか…」



スタージュンは肩を落とした。






何故なら、ストーブが壊れればまた

リンが自分の所へ
ましゅまろを焼いてほしいと
来るのではないかと少し期待していたからだ。










「スタージュン様?」








不思議に思ったジョージョーは、スタージュンを覗きこんだ。













すると、



















「あ、いた!スタージュン様ー!」









振り向くと、ぱたぱたと小走りで自分の元へと向かってくる リンの姿があった。
















「どうした、」







短く答えると、











「スタージュン様、ましゅまろ焼いて頂きたいのですが」








リンの手にはピンク色のましゅまろ。













「ストーブは、正常に動いているが?」









その言葉に リンは















「これは、そのっ…。スタージュン様とちょっとでも一緒に居られるようにっていう」




「?」












「その…、口実、です」





と、 リンは 照れながら答えた。












「(あの夜も、そうだったというのか)」










「スタージュン様、どうかしました?」




「いや、なんでもない。貸せ、焼いてやる」









「はい、ありがとうございます」














スタージュンは自らの炎で焼いたましゅまろを リンに手渡した。







「はふはふっ!あつっ」



「気を付けろ」







「ふーふー、はい、スタージュン様、あーん」








「…」








「はいってば。あーん。」






「私に食べろと言うのか」







「だからそうですって。はいっ、熱々が一番美味しいんですから、お口開けてください」







スタージュンは、戸惑いながら
小さく口を開けた。


















「あ…、あーん」








「ん、はい!」
















口の中に入れられた いちごましゅまろ。













「どう?」



リンがスタージュンの顔の覗き混む。



















「いや、…。あぁ。うまいが」






















リンが笑う。








どき。













「あれ?スタージュン様、ほっぺ赤い?」





「気のせいだろう」














そう返しても リンは
楽しそうに照れてるとか、赤いとか言ってくる。





















「 リン、 」





「はい?」

























ちゅ













「スタージュン、様…」




目の前には顔を赤くするリン。





「スタージュン様……甘い、…いちごみたい」

































「私を笑った仕返しだ」

















「そんな可愛い仕返しなら、ずっとずっと受けてたいです」











そんな事をいうものだから、
スタージュンはたまらず リンを抱き締めた。















………………

その頃。





グリンパーチ「ましゅまろ作戦大成功だねー!あの二人早くくっつかないからイライラしてたんだよー!」



トミーロッド「あとで 借りは返してもらうよ。相談料ってことでリンに虫の世話でもさせよっと」



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