みどりいろのくも
□みどりいろのくも【おまけ】
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「悪りい、ちょっとコーヒー買ってくる」
と、5日間の合宿を終え、箱根から千葉へ帰る途中、
マイクロバスを運転する寒咲さんがコーヒーを買いに自販機の近くにバスを止めた。
静かになったマイクロバスの
後部座席には、
巻島と 名無しさんが隣同士座っていた。
「皆疲れて寝ちゃってますね」
マイクロバス内。
二人の前の席の部員たちは皆
合宿を終えた安心から
静かに眠りについていた。
「さすがに5日間の合宿は体にこたえるッショ」
「そうですよね、巻島さんも疲れてるんですから、休んだ方がいいですよ、千葉まで まだ時間ありますし」
「ん、じゃぁ……そうするッショ」
窓の外は箱根の山。
今度は彼と観光で来れたらと
思っていると、
「 名無しさん 」
ふいに巻島に名前を呼ばれる。
「 なんですか? 」
振り返ると
ちゅ
巻島は 名無しさんに
微かに唇と唇が触れるだけの
短いキスをした。
「えっ……あのっ」
すると巻島は
真っ赤な顔をして
寝たフリを始める。
名無しさんはつられて赤面し
顔を伏せた。
その頃、
同マイクロバス内。
爆睡中かと思われた部員たちは……
部員全員「(寝たフリって、大変だ……)」
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