弱虫ペダル 短編
□ウサギを数えて
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「ねえ、隼人」
「ん〜?」
「…全然眠れないよ。というか眠くならない」
時刻はとっくに夜中だが、全く眠気がこない。
名無しさんは同じベットで横になる、眠そうな新開の肩を揺すった。
「ん…しょうがないな。」
新開は目をこすり、何かを思い出したようにつぶやく。
「そうだ」
「?」
「ウサギを数えてやろう」
「そこは 羊じゃないの?」
「細かいことは気にしない」
そう言って新開は、とん、とん、と名無しさんの背中を優しくたたきながら
「ウサ吉が一匹、ウサ吉が二匹」
と数えだす。
「(つっこみ所いっぱいなんですけど)」
すると、やはり眠いのか、
「ウサチキが 十一匹…ウサチキが十二匹…」
「(ウサチキって何…)」
そうしているうちに。
「やっぱり 寝ちゃった…」
名無しさんの隣で新開は静かに寝息を立てている。
「まあいっか。ふふ、オヤスミ」