弱虫ペダル 短編

□花の名前
1ページ/2ページ




「あれェ? 名無しさんチャンじゃなァい 」





と、声を掛けられ、鼻の頭を赤くさせながら 声の方向へ振り向いた。






「あ、荒北くんと東堂くん。お疲れ様」



「ワッハッハ!まるでトナカイの鼻のようだな」


「おう、つか何待ちィ?」






その言葉で 名無しさんはムッとなるの見ると、荒北は笑った。





「あぁ、不思議チャン待ちか、」


「うん、山岳ったらこの前も、部活終わる頃に校門で待っててって言ったくせに結局すっぽして山登りに行ったのよ」





「うむ、 名無しさん。残念だが今日も、そのようだぞ」






「えーっ、うそでしょ!?」




「奴なら、さっき部活終わってから猛ダッシュで山に行ってしまったのだからな!」






「そんなー、もう最悪。振り回されっぱなしよ」


名無しさんは 細いため息をつく。




「もう今日は寒ィし、時間も遅せェからついでに送ってやンぞ?」


「荒北の言う通りだ、この寒さは女子には堪えるだろう」







名無しさんは少し考えたあと、






「ううん、ありがとう。でも、もう少しだけ待ってみる」





「そうか、ではあまり暗くならないうちに時間を見て帰るのだぞ」


「最悪、真っ暗ンなったら今日、部室片付け当番の黒田にでも送ってもらえ」





「ん、そうするね」




そう言うと、二人は、
学校の校門を後にした。







次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ