‡龍が如く‡

□A
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『名無しさんにはまだ話してないんすけど、俺この間、名無しさんが以前いた施設に行ってきたんです。

ちゃんと話をしてきましたから、手続きすれば名無しさんはいつでも住所を移すことができますし、住民票なんかもちゃんと作れます。

それから、実は指輪ももう作って、ル・マルシェに預けてあるんです。

もうすぐくるあいつの誕生日にって思ってたんですが…予定変更です、病院行く前に受け取りに行かないと。


あ、でも…遅すぎだってふられたら、慰めてくださいね――…』





「私ももちろん信じていたけど…ユウヤさんの答え、分かってたみたいね」

「まあな。…ただ、俺が思ってた以上にちゃんと考えてたよ、あいつ」

「そうね」


ユウヤが店を飛び出して行った後、CLOSEDにしたままの店内でママと伊達はふたりでグラスを傾けていた。

まだ若いふたりの幸せを、心から願いながら。










(15,7,5)
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