MAGI long
□2話
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「…つ、かれた……」
少女ーメラニーは、恩人である青年、ユアンに言われマグノシュタットへ向かっていた。
しかし、なかなか遠くメラニーは休憩をしていた。
「……お腹減ったし……普段ならこんなに疲れないのに…」
普段のメラニーは人間ではない力…ジンの力を使い生きていた為こんなに力を使うのは初めてだった。
メラニー自身がジンであるが、それと同時に金属器のような存在でもある。自由に姿を人間とジンを変える事ができるが、それには大量の魔力がいるため、ジンにならずに戦わなくていいように、魔術を自由に使うためにマグノシュタットへ向かうのだ。
「何か、馬車のようなものはないの……?」
メラニーがふらふらの立ち上がりながら周りを見渡した。
そこにちょうど馬車が止まっているのが視界に入った。
「…!!今日は運がいい…!」
メラニーが馬車に向かい走り出す。
ードンッ!!
「った…!?」
同時に何かが走りだしメラニーとぶつかった。
「ご、こめんね…おねいさん。ちゃんと前を向いていなかったよ…」
メラニーより先に立ち上がった少年は手を伸ばす。
「こちらこそごめんね」
メラニーは少年の手を掴み立ち上がった。
「もしかしておねいさんもあの馬車に…?」
「うん、北を目指して旅をしてるの」
メラニーが頷くと少年は目を輝かせた。
「僕も一緒だよ!!」
少年はメラニーの腕を握りブンブンと振った。
「僕はアラジン!!旅人さ!」
「…私はメラニーよ」
アラジンはにこりと微笑むと「じゃあ、君はメーさんだね」
と言った。