君を護るために俺は命を賭ける
□告白とハロウィーンの悲劇
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時は流れ、今日はハロウィーンの日。
その日は朝から甘い匂いが漂い、夜のパーティーの時には、甘い匂いが濃くなっている。
その中をパーティーに向かうべく、レオは歩いていた。
大広間に向かう途中の廊下でレイブンクローの三年生が話しかけてきたのだ。
女生徒「王子、少しお話良いですか?」
『はい、ではこちらへ』
レオは女の子の手を引いて空き教室へ入ったのだ。
『お話とはなんですか?Little Lady』
女生徒「あの、私、入学した時から王子のことが好きです。私と付き合ってください」
レオは一瞬、悲しそうな顔をしたが、直ぐに当たり障りのない笑顔を浮かべた。
『申し訳ありません。今は、そういうのは考えられないのです。私でなくともLittle Ladyには良い男性が現れます。本当に申し訳ありません』
女生徒「い、いえ、気持を伝えたかっただけなので、すっきりしました」
『大広間まで、エスコートをしましょう。パーティーに向かいますよ。Little Lady』
女生徒「は、はい」
二人は無言で、しかし、居心地の悪い無言ではなく、居心地の良い無言で歩いていた。
ただ、歩いているだけなのに、女の子は満足そうだった。
しかし、時間は無情にも過ぎ去り、大広間についてしまった。
女生徒「ありがとう御座いました。王子」
『その先、Little Ladyに幸多からんこと
を……』
二人は分かれて、大広間に入り、席についたのだ。