短編小説
□たとえ悪童でも
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休日はいつも県立図書館で静かに過ごすのが日課となっている
まぁ…読書するなら一番快適な場所だからな
昼過ぎから夕方くらいまでかけて分厚い1冊の本を読み終えてからいつも帰るのだが、昨日に部活の連中等が家に帰らずに学校の体育館に来いとの連絡があった
「…ったく、めんどくせ」
欠伸をしながら読み終えた本を返却口に返す
学校まではそんなに遠くはないので仕方無く寄っていくことにした
「どうでもいいことだったらザキ辺りでも絞めるか…」
小さく溜め息をついて学校に向かった
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その頃…
「そろそろ花宮来る頃じゃね?」
原が体育館の入り口から学校の校門にチラチラと目をやっていた
「おいっ!お前も手伝えよ!」
「えー、だってもうすぐ終わるじゃん」
「そこのクラッカーを持ってきてくれ」
「了解〜」
「何で古橋の言うことは聞いて俺の言うことは聞かねぇんだよ!?」
「だってザキだし」
「はぁっ!?」
賑やかに花宮が来るまで飾り付けなどをしていた
だがそろそろ来てもおかしくない頃なのでクラッカーを持って皆は入り口の近くに隠れる
「どんな顔すっかな〜」
「皆でちゃんと花宮の“誕生日”を祝ったことなかったからな」