結界師
□誕生日
1ページ/7ページ
月明かりが照らす真夜中、箱をもって走っている少年が一人。
「やべっ!完全に遅刻だ!」
「良守ー、なにやってんのさ。雪村の小娘にまた怒られるよ」
「うっせ!あー思ったよりも時間くった!やっぱ怒ってるよなー時音……」
少年ー墨村良守は学校へ急いだ
「ハニー、ヨッシーやっと来たぜ」
「ごめん時音!ちょっと遅刻し……」
「なにやってんのよ、ずいぶん遅れてきたわね」
……なんか説教モードに入りそう……
「その箱……あんたまさかケーキ作ってて遅れたとか言わないわよね?」
うわ……まさにその通りだ……
「………そうです」
「あんたねぇ……そんなにケーキ作るのが楽しいの?そんなことしないで修行もっとしたらどうなの?」
「いや、でもこれは」
「くだらないことばっかしてるんじゃないわよ。いつ強敵が来るかわからないんだから」
くだらないこと……?
俺のケーキ作りがくだらないことって言ったのか、時音
俺はただ時音が喜ぶ顔が見たかっただけなのに
「今はまだ妖来てないけど、これからはもっと自覚して……」
「うるせぇ!」
なんだよ
なんでそんなに侮辱すんだよ
遅刻したのは悪いけど今日遅れてきたのはー……