届いてほしい願い

□どうやら着いたようだ
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やっとやっとやっと……!!!

着いたあぁぁ!!

ここまで長かった!よく頑張ったな!元居たところから出てきて推測8ヶ月。その頃あの女の人に会って、そのときが大体3月頃。それからここまで来るのに推測7ヶ月。

………………遅すぎたな、おい。

あぁ、懐かしい。今までの旅での出来事……

まず。式神さんについて行った。歩きながら考えていたけど、多分式神を出せるってことはあの人も異能者だろうな。しかも結構その式神凄いんだ。質問するとちゃんと言葉で返ってくる。さらに知識が豊富。行く途中にその場所の住所とか聞いとけたしな。

……今思うとちゃんとそのとき色々聞いててよかったなとつくづく思う。

しかし困ったことは式神が人通りの多いところを選んで進んでいった、ということだ。当然昼間にも行く場所を目指して歩く。私は年齢的には中学校に通う位なもんだから、私が昼間に歩いているのを見て周りの人等が、


“何で今子供がいるのかしら。”
“おいおい、大人も付いてて何やっているんだ。”
“学校に行かないといけないんじゃないの?”
“何かあったのかなあ。”
“きっとサボってんのよ、だから最近の子供は……”


いやいやいやいや。あのこちらにも色々事情ってもんがありましてですね。あーだめだ。こんなとこ堂々と歩ける度胸は私には備わってないや。式神さん、私の保護者扱いされていますよー。あのー、そんな目で見ないでくださいよ、悪人見るような目でさあ。言っとくけど私何も悪さはしてねえからな!

それで式神さん引っ張って人通りの少ないところを選んで進んで行った。適当に人が少ないとこ少ないとこ……って歩いていくと、式神さんどうやら道がわからなくなったようで。うん、こりゃ迷子だな!

私の持ち前の身体能力を使えばもっと一日に進む距離は増えるけど、いくら人が少ないからといって昼間は怪しい動きは出来ない。だから基本動作、歩く。何か乗り物とかに乗れればいいのだが、そんな金は持ち合わせていない。そのため一体いつの時代だよ、と思う移動手段を主として使っていたため……遅い。

お握り五つなんてあっという間に無くなったよーハッハッハー!まあ、食事に関しては今まで通り自然物で大丈夫そうなもの拾って食べてたけどな。寝る場所も相変わらず木の根っことかそういうのにもたれて寝てたな。それでもなんとか式神さんが言うには目的地には近づいていたようだ。

次はあれか。夏の終わり頃、言うとまあまあ最近。式神さんが消えてしまった。その前からだんだん薄くなってきたな、とは思っていたけどその日完全に消滅した。うわどうしよ……ちょっと、ねえ!残った紙に話しかけてもやっぱ応答なし。

そこで前もって聞いていた住所とかの情報が役立ったわけだった!出来るだけ人が多い場所の近くまで行き、隠れて歩みを進める。夕方頃(学生が下校していてもおかしくない時間帯)、人に道を聞くために人通りの多いところへ出る。そして誰かを捕まえて教えてもらう。





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