♪番外編♪
□3000hit記念小説
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━━━…
棗「どこだ…?」
約束の9時をとうに過ぎた。
奴らの姿がない…。
車の音も人の声もない。
辺りに響くのは
コオロギの音色…。
棗「どこにいるんだ!!」
俺の声だけが響きわたる。
トンネルは真っ暗で何も見えない。俺はその中に吸い込まれそうになった。
本当に奴らは来るのだろうか…?
疑問さえもでてくる。
棗「なんだ…逃げたのか?」
俺は気を落ち着かせ、周りの様子を見ながら、一歩…また一歩と後ろに歩いた。
電灯など1つもないこの場所…。
何が起こるかわからない。
━━━その時だった。
ドンッ!!
背中に何かが当たった。
少し柔らかく、温かい感じ……。
━電柱じゃない…
俺はすぐさま相手を殴りかかろうと、手を挙げたが遅かった。
棗「ッんの…!!」
俺の両手はすでに拘束され、頭の上で束ねられていた。