雲一小説

□しゃっくり
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「雲水が・・・もう、お前と別れたいって・・・」

その場の誰もが自分の耳を疑った。
あの、雲水と一休が!?
あの、今もウザイくらいにくっついていた雲水と一休が!?
皆が驚きの表情で固まっていた。
中でも一番驚いているのは雲水だった。
一休はというと、その顔から表情は消え、血の気が引いて白くなっていた。
「・・・嘘っす」
助けを求めて呟いたが、黛は何も言わずに一休から目を反らしただけだった。
みるみるうちに一休の表情が歪み、大きな目が涙で揺れた。
「嫌だ・・・いや・・・そんなこと言わないで!!雲水さん!!!」
一休は黛の手を振りほどくと、雲水にしがみ付いた。
「俺、何かしましたか!?気に入らないことがあったら言ってください!!俺、もうしませんから!!だから、別れ・・・うんすいさぁーん」
泣き出した。
雲水も慌てるしかなかった。
「言ってない!そんなこと言ってないから!・・・黛!!」
雲水はでっち上げを言った黛を睨んだ。
「これだけすれば、しゃっくりも止まるだろう」
黛はしれっと言い切った。
黛典史。校内弁論大会優勝者。人の心を揺さ振る言葉の達人。

「別の意味のしゃっくりが発生したけどな」
千里が呟くと、皆がため息をまたついた。
しかし、今度のしゃっくりはすぐに止まるだろう。
「・・・なあ、」
山伏が囁いた。
「あの二人って、そういう関係だったのか?」
「お前知らなかったのか?」
「まだ皆居たの?」
サンゾーが顔を覗かせた。
そして雲水にしがみ付いて泣きじゃくっている一休を見つけた。
「あら!」
口元に手をやった。
「この場合、アタシ嫉妬するべきなの!?それとも、一休ちゃんを心配するべきなの!?」
知るか!!
皆がそう思った。


後記。
くだなくてすいません。
ナーガはいつも楽しくやってます
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