雲一小説

□一瞬の輝き
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それは俺も同じだ。
 雲水は一人そう思った。
 そして隣に座っている少年を見た。
 お前が今、万華鏡を覗いて綺麗なものを見る度、嬉しそうな顔になっていくのに、気付いているのか?
 今、そんなお前の表情を見ているのは俺だけなんだな……。
 そう思うと、確かに優越感を覚えた。
「あ…あっ!」
特別キレイな模様を見たのか、一休が思わず声を上げた。
お前が見ているものも輝いているだろうが………俺が見ているその表情も輝いているんだぞ。

一休は表情が豊かだ。とてもじゃないけが喜怒哀楽で表しきれるものじゃない。
どのくらいかと訊かれたら、さっきと同じ答えを返そう。
「同じものを再び見る確立は、何十億、何百億分の一だ」
そのくらい言っても決して過言ではない。笑顔だけでも何種類あるのか……。
アメフトでタッチダウンを決めたとき、新記録を出したとき、食事をしたとき、話をしているとき……。
どれも、眩しすぎるくらいだ……

本人でさえ気付いていないその一瞬一瞬の輝きを俺は今、ひとりかみ締めていた。

くるくる きらきら……。



後記。
これを書くときに、家に万華鏡は無いかと探したら、ありませんでした。
さみしいな、俺の家!!!
確率の数字は実はぜんぜん覚えてません(おい)
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