雲一小説

□ホワイトデー
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3月14日。世間で俗に言う、ホワイトデー。
はっきり言って、和製英語だ。欧米ではそんなイベントは無い。
ようはバレンタインデーでチョコをもらったものがお返しにクッキーや飴を上げるという日。
またしても菓子会社が日本人の義理堅い性格を利用してでっち上げたものだ。
バレンタインの売れ残りに、ホワイトデーの宣伝カードをつけていたのには驚いた。

いや、そんなことはどうでも良い。
俺、細川一休はその日を目前にいきがっていた。
実は、今年のバレンタインに俺は雲水さんから手作りのチョコをもらったんすよ!
だから、手作りには出作りでお返しを。バレンタインにチョコをあげれなかった分も含めて、三倍返しで立ち向かおうと決心しました。
何だよ?立ち向かうって?

とは言ってみたものの、俺料理なんておにぎりとカップ麺くらいしかできないっす…。
けど、たまたまクッキーの作り方を入手できた。鬼ラッキー!
読んでみたら、これくらいなら俺にも作れそうだと思って、さっそく材料を買った。
あと、問題なのは調理する道具と場所だ。
学食の調理場って借りれるのかな?
ダメ元で管理のおっちゃんに聞いてみよう。ダメだった時に次の手を考えればいいや。

意外とあっさり許可してくれた。

「雲水へのお返しか?」
「はい。…って、え?」
ナチュナルにバカ正直に答えてしまった。
「なんで分かったんすか?」
もしかして、俺たち学校公認?うん。べつに隠すつもりも無かったすけど。
「2月に雲水も此処を貸して欲しいといって来たんだ」
「え、じゃあ…」
あのチョコ、ここで作ってくれたんすね。
「…てか、お前なんか作れんのか?」
痛いとこ突くっすねー。
「手伝ってやろうか?」
確かに、明らかに料理とかしなさそうに見えるし、実際しませんけど。雲水さんみたく(アメフト意外は)起用でもないから、心配しちゃうと思うっすけど。
「俺一人で作ります!」
雲水さんには100%俺だけの愛で作ったものをあげたいんです。うわ! 恥ず!?
「まあ、ちゃんと片付けと戸締りをしてくれるなら、使っていいいぞ。あと、火事起こすなよ」
どんな料理するんすか!?
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