僕等のアルバム
□想い
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黒マルコ様が降臨なさった後、私とエレンは庭の掃除をしていた。
ちなみにこの掃除は私がハンジさんに勝手に押し付けられたのをエレンが手伝ってくれている。
『マルコって、怖いんだね…。』
エ「そうだな…怒らせねぇようにしねぇとな…。」
話題はやっぱりマルコのことだった。
あのマルコは本当に怖かった。ジャンはガタガタ震えちゃってたし、サシャもパンを食べてる手がガクガクだったし…。
出来ればもう黒マルコ様は見たくない。
エ「あのマルコがなぁ…。」
『あのマルコが…。』
思わずはぁ〜とため息をつく。これで1つ私の中の癒しが消えてしまった。
これからは、クリスタで癒しを補充しよう。
そんなことを考えていると、ふとエレンが声をかけてきた。
エ「そういえば舞。
この間舞が好きそうなキーホルダー見つけたんだけどさ、良かったら貰ってくれないか…?」
まさかのプレゼントに私は一瞬驚いてぼけーっとしてしまった。
エレンはこちらの様子をちらちらと伺っている。ヤバい。可愛い。
まさかエレンも癒し系だったとは…!!これは思わぬ発見だ。
『ありがとう!!うわ〜!!すっごく可愛い!!』
エレンがくれたキーホルダーは可愛いウサギのついた物だった。
こういうの買うの抵抗なかったのかな??
エ「気に入ったみたいで良かったよ。」
『すっごく気に入ったよ!!後で鞄に付けよーっと♪』
思わずテンションが上がって、鼻歌を歌っている私にエレンは、掃除を再開しながら「ハハッ!」と笑った。
『えっ?どうしたの??』
するとエレンは微笑みながら、私をじっと見つめて
エ「舞を見てたらこっちが幸せな気分になるな!」
とニッコリ笑いながら言うものだから、私も思わずニッコリと笑ってしまった。
すると、ガサゴソと茂みが揺れて暫くして、ハンジさんが頭を掻きながらやって来た。
ハ「いやぁ〜!!ゴメンね〜掃除押し付けちゃって!」
アハハと全然申し訳無さそうに謝るハンジさんに、私達は「いいですよ。」と言うしかなかった。
すると突然ハンジさんが「あっれ〜?!」と驚いたような声をあげた。
ハ「舞こんなストラップ持ってったっけ〜?」
あからさまにニヤニヤしながら聞いてくるハンジさんに今までの事を見られていた事がわかって、エレンは顔を赤くさせた。
ハ「い〜なぁ〜!!かっわいいな〜!!こんな可愛いの誰から貰ったの〜?」
ついにエレンが耐えきれなくなって持っていた掃除道具をハンジさんに押し付け
「行くぞっ!!」とまだほんのり赤い顔で私を引っ張った。
ハンジさんが、「一人で掃除しなきゃいけないの!?」とか、叫んでたような気がするけど、
...気のせいだよね。
*
『エレン??どこに行くの?』
エ「ッ…!!わ、悪い...。」
ずっと喋らないまま、私の手を引っ張って歩くエレンに質問すると、エレンはハッとして私の手を離した。
『大丈夫だよ!!
それにしても、ココは人がいないね〜!』
やって来た場所は校舎裏だった。普段から人はいないが、今日は全くと言っていいほど誰もいなかった。
『皆何してるんだろうね〜?』
うーん、と考えている私を、エレンは急に見つめた。
その目は、迷いがない真っ直ぐな私の好きなエレンの目だった。
エ「舞...。俺さ、
舞が好きだッ!!///」
いきなりそう叫ぶエレンに、私はびっくりしてしまったけど、
『私も好きだよ。エレンの事!』
ニッコリ笑ってそう答えると、エレンの真っ赤だった顔はみるみる笑顔になった。
『というか、エレンもアルミンもミカサもジャンも皆大好き!!』
また笑う私に、エレンの表情はまさに、ガッカリといった顔だった。
『??…エレン?どうかしたの?』
エレンの顔を覗き込んで聞くと、ため息が聞こえた。
エ「舞って、本当...はぁ〜...。
けど、覚えとけよ!!いつかは俺の事好きだって言わせるからな!!」
また顔を赤くして言うエレンに、私はさっき言ったのになと、まだ意味を理解できていなかった。
想い
まだ、伝わらない。