カオス・ブレイブ

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「突然だけど、お前そろそろ逮捕されるぞ」

「お巡りさんこの人です」

『やめて、シャレにならないから』

「自覚してる時点で自重しろよ!」

はい、五十鈴です。
いきなりですが倉持さんにお叱りを受けました次第です

『てか、御幸ちゃんはマジで110番かけようとしないで!』

「いい加減かけてもいいよな。俺今までよく耐えたよな」

「おい、目が死んでんぞ」

『逆に聞くけどあたしの愛情表現になんの不満が!?』

「「重すぎる」」

『ハモるほどに!』

「つーか、その愛情表現とやらは普通倉持に向けるべきだろ」

「余計なこと言うなよ、俺が被害受けるだろーが」

『あたしが公害の一種だとでも言いたげだな』

全く、この友達いないコンビは何を考えてるんだ

「とにかく、お前は暫く禁みゆな」

「禁欲みたいな言い方やめて」

『じゃあ施行される直前まで充電させて!ちょっとでいいから!ホントだから!』

暫くこの至福が得られなくなるとは…!なんたること!
あぁ、全知全能の神ゼウスよ、どうしてあなたはわたくしにこんな仕打ちをなさるのですか!

『うっうっ、寂しくなるよーっ』

「嘘泣きしてもキメェだけだからな」

「(仮にも彼氏の台詞かよ…)」

『洋ちゃんのばかー!』

「キモチワリイ」

一刀両断とはまさにこの事!

「もういいだろ、離して五十鈴ちゃん」

『うぅ…暫しの別れ…!寂しくて泣いても知らないんだからね!』

「それは無い」

『辛辣ぅぅぅぅぅ!』

「叫ぶな!あ、見えなくなった」

「はぁ、これで暫く平和になる…」

「(解禁させたら反動ヤバそうだな)」





さてと、結局禁みゆ食らってしまったし…これからどうしようかな
と言っても普通に過ごすだけなんだが

『うーん、誰に転がり込もうか』

うだうだ考えるならやっぱり屋上は定番だし、そこでサボろっと

「あれ、九十九じゃん。何してんの、サボり?」

『あ、亮ちん先輩』

「何その呼び方」

『えー親しみを込めて』

「気持ち悪いな」

『みんなしてキモいとか言う!何この仕打ち!』

「気にしてたんだ、意外」

『執拗に強調されれば多少は凹みますわ』

人をなんだと思ってるんだこの人達は

「って言うか、お前態度デカイよ。生意気」

『別によくないですか同い年だし』

「…は?」

『あれ、言ってなかったスか。あたし本来なら3年ですけど』

次の春から余裕でエロ本買える歳ですよ、自分
青年向けにはあんま興味ないけど

「九十九ってダブり?2年生2回目とか?」

『中1が2回ッスね。田舎で荒れてたから不登校してたんで』

「中学で留年とかするもんだっけ」

『学力ではしないけど出席は別なんでしょうね』

「ふーん。どうでもいいけど」

『じゃあ何で聞いたし』

さすが亮ちん先輩、自由すぎる

「で、結局何でサボってんの。いつも御幸と倉持にくっついてんのに」

『あーそれなんですがね』

かくかくしかじかと言うことで、ついさっきの条例を説明したわけです

「何それ、九十九面白すぎ。それで拗ねてサボりに来たわけ?」

『あいや、少しでも平常心を保とうとね』

「まぁお前はちょっとおとなしくした方が良いからな」

『あたしはいたって普通なんですけども』

「異常だからそれ」

失礼な。あたしのどこがおかしいのか

『って言うかあたしからハイテンションを取ったら何もなくなってまうやん』

「何で関西弁。自覚してるなら少しは自重すればいいのに」

『またみんなしてそういうこと言う』

「あぁ…(察し)」

『あたしのアイデンティティが消失したらどうしてくれんですか』

「知らないよ」

『まぁ亮ちん先輩に慰められるとは思ってないけど』

「だろうね。あとその呼び方キモいからやめろ」

『えー、じゃあなんて呼ぼう』

「普通でいいから」

普通じゃつまらないから捻るんだよ
しかしまぁ変なこと言うとそろそろ雷落ちそうだからやめておこう

『亮介ー』

「…呼び捨てで来るとは思わなかったな」

『周りと被らないからいいかなって』

「基準おかしいから」

『まぁまぁ、この話はお開きで。それじゃあたしは寝ます』

「俺は起こさないよ」

『心得てますともー』

「あぁそう」

アラームは基本だよね!
さてさて暇な残り40分、夢の世界に引き籠っておきますか


(禁じられると余計やりたくなる件)



end

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