カオス・ブレイブ

□3
1ページ/1ページ



『野球部って、殆ど寮生活なんスね』

「え、今更?」

ちょっと、かわいそうなものを見るような眼でこっち見ないでください先輩
あ、この人は漫研部長の文月先輩

「あんたってホント好きなもの以外とことん興味ないわね…」

『いやぁそれほどでも』

「褒めてないからね。っていうかそんなあんたがなんで野球部のイケメンを彼氏にできたのかホントに謎だわ」

『あれは…暑い夏の日だった』

「あ、変なモノローグいらないから。サラッと言っちゃって」

『酷いお』

「スョボンしないで、詳細はよ」

『分かりましたよー』



でも実際暑い日でした
初夏なのにあまりにも暑いからコンビニ行こうと家を飛び出したわけで
しかし途中で何か不穏な奴等に足止めされたんですよ
いわゆる不良くん達
めんどくさいなーって思ってたら、正義のヒーローのごとく当時隣りのクラスの倉持くんが現れてですね
一緒に不良くん達をボコっちゃいました
元ヤンは正義

「待って、なんで一緒にボコってんの?そこ普通に守られてれば王道でしょうが」

『やだなー、何のために靴底に鉄板仕込んでると思ってるんですか』

「そんなモン仕込むんじゃありません!」

『続けていいっすか』

「おk」



で、撃退してくれたお礼に何か奢るよーって事でコンビニまで行きまして
因みに倉持さんその時先輩のパシリで買い出しに来てたらしいで
それは置いといて、さて帰ろうとコンビニ出たらなんという事でしょう、因縁つけて来たのかさっきの不良くん達がお仲間さん連れて待ち伏せてるじゃありませんか
こちとら買い物帰りで手塞がってんだよって言ったんだけど、まぁそれで引くような思慮深い訳がなく

 ―「逃げるか」

 ―『異議なし』

って感じでゼロカウントダッシュ決めて逃走しましたよ
そっから妙に意気投合しちゃいまして、付き合ったら楽しそうじゃねってノリで告白してみたら案外OKもらっちゃった感じですね

「なるほど、分からん」

『でしょー。まぁお互いが好きすぎるリア充よりは融通利くからいいんですけどね、あんま干渉し合わないですし』

「何その、理解しあってるドライな夫婦みたいな関係」

『夫婦とか(失笑)』

「なんでそんな嫌そうな顔なのよ」

『いやー、今のところ予定無いわー』

「お前らそれでもカップル?」

『そうらしいですね』

「くっそリア充のくせに他人事みたいな反応!憎めない!つらい!」

『先輩なら声かければすぐ彼氏とかできそうなのに』

「嫌味?ねぇそれ私への嫌味にしか聞こえない」

『えっ酷い。先輩可愛いんだから出会いさえすればイケると思う』

「ねーよ」

あれー、無自覚ってやつですか

『いやホント先輩は可愛いよ』

「なんか同性の後輩に口説かれるんだけど誰か助けてー!」

『今までで一番酷い!!あたし別に百合属性無いです!』

「知るかよ変態」

『変態じゃないです紳士です』

「いや紳士でも無いでしょあんたは」

『失礼な!ベッドの中では紳士ですよ!』

「その役目はあんたじゃないでしょ!っていうか真顔で下ネタ言うの少しは控えなさいよ」

『照れたらキモいだけじゃないですか』

「うん、キモい」

というか喋り疲れたんで水飲んで良いですか
我が家のおいしい水、体力が50回復する。違うけど

「それにしても、あんたの馴れ初め話初めて聞いたわ」

『まぁ公表するもんでもありませんし』

「うん、相当ぶっ飛んだ経路が無ければ興味も無いしね」

『むしろその辺は考える方がおいしいですし』

「それは分かる」

『って訳で、先輩の理想の恋愛物を!ください!』

「えっ無理。妄想が具現化しない」

『そこはまぁ、妥協して!因みにNLでもBLでもお好きな方で』

「が、頑張るわ」

先輩のやる気スイッチ入った
考えるだけにとどまらず自らの手で生み出すんだからやっぱり先輩は凄いなー
でもたまにあたしの妄想談を使うのはどうかと思います





『という感じでしたー』

現在地、青心寮
倉持のお部屋にお邪魔してみました

「あのさ、なんで言ってくんの」

『ん、もっちーの話を肴に…じゃなくてネタに…でも無くて、うん、話題にしたから』

「誤魔化せてねーぞ」

「五十鈴先輩って、真顔で下ネタ言える人だったんスか」

『そうだよー。あ、一つ忠告しとくとおっぱいは下ネタじゃないから、上だから』

「「Σ!!」」

あ、沢村くんと増子さんが赤く

「スルースキルはつけとけ」

『倉持相変わらず反応薄いなーチキショウ』

「何回言われたと思ってんだよ殺すぞ」

『は、ぶち犯すぞ』

「それは御幸だけにしろ」

『分かった』

「(ナチュラルに御幸センパイ売られてる!)」

「(女子は恐ろしいな…)」

『ほんじゃあっしは帰りやす!じゃーねー青少年!』

「年かわんねーだろ」

そんなツッコミは聞こえないふりをした



(俺の彼女が普通にしてりゃ普通な件)



end

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ