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□まだ眼が紅い頃のお話
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「赤司く……あれ?」
黒子が向かったのは赤司のいる教室。昼休み一人机に突っ伏しているという物珍しい光景が目の前にあった。
(…起こすのも悪い気がしますが、此方も用事があるので)
「赤司君。すいません、少しいいですか?」
顔を少し近づけて話し掛けたが、モゾモゾと動くだけで返事が返ってこない。
(え?影が薄すぎて気付いて貰えないんですかね?)
あの赤司ですら気付かないこともあるのか、と意外だったのか何処まで気付かないか試したくなった。
つついたり、頭をポンポンしたり色々と試してみたが結構起きないものだった。
(日頃からの疲れですかね…)
そう考えたら起こしづらくなったが、此方も時間がない。
「(スゥ…)フゥ―――ッ!!」
「うひぁ!!!!」
「あ、起きましたね。おはようございます」
「え、何?今の黒子か?吃驚したよ…」
「すいません、気持ち良く眠ってたところを起こしてしまって」
「此方こそ、すまなかったな。で、僕に何か用かい?」
「あ、そうでした。…ところで赤司くん、耳が弱いんですね」
「なっ……!」
「さっきの反応可愛かったです、また機械を狙って見たいと思います」
「……(絶対隙を見せないようにしよう)」