book1
□独占欲
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部活後、赤司が帰るのは一番最後。次期主将として虹村と共に残って彼から指導を受けるためだ。
「だけどよぉ、まさか俺たちがこんなことしてるなんて誰も思わねーよなぁ……」
「ひぁっ!!やめっ……!」
「止めてほしいのか?」
「〜〜っ!」
___小一時間前
部活が全て終わり、虹村と赤司は漸く帰ることだった。二人ともまだ着替えてないので部室へ向かう。
素早く着替える虹村は赤司がまだ上を着替えている頃にはもうバッチリ制服へ着替え終わっていた。
その時だった。外からコンコンと扉を叩かれた音がした。監督が主将に伝え忘れたことがあったらしく、外へ呼び出されたのだ。
一人残された赤司は、ボーッと扉を見詰めていたが、ふと視線を下げると鞄に適当に入れられた服を見つけた。
―さっき着替えたばかりの主将のTシャツ……
興味本意に取り出してみた。体格の差があるだけにかなり大きい。
まだ戻る気配がないと思った赤司は、扉からは死角になるロッカーの影で座り込んでTシャツに顔を埋めた。
(虹村主将の匂い……)
スンスンと嗅ぐ姿はまるで猫のよう。だが、主将への好意から赤司はあれやこれや想像して感情が高揚してしまう。
「……虹村さ………」
「…何してんの?」
「!!!」