Be in high spirits! inかぶき町高校

□第二訓
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そんなかんなで僕は坂田さんの家に
行くことに。

「坂田さんは部活とか入るんですか?」

「あー部活ね〜入りてーのはあるけど…
でもダリーしなァ。」

「え、何に入りたいんですかー?」

「……料理部。」

りょ、料理部?

「ひ、引くなよコラッ!
今や専業主夫だっている世の中だし
男子が料理部
入ったっていーじゃねーか!」

「ま、まぁ別にいいですけど……
ちなみに理由は?」

「決まってんだろ。
甘味作りまくるんだよ材料代タダで」

どんだけ甘いもの好きなのこの人ォォ!!

「うるせェェ!!
俺は糖分王になるんだよッ!!」

「いやどんだけダサい王様ァ!!?」

「あーもう!
お前はなんなんだよお前は!!」

「僕は剣道部に入ろうかなーって。
中学でもやってたんで! 」

「え、何。お前剣道やってたの。
ならさっきのチンピラも切り倒しゃァ
良かったよによ、 」

「いや竹刀なんて持ってませんから!!
それに大人数相手だと
勝てるか怪しいですし……」

「全然ダメじゃん。」

「ほ、ほっといてください!!
…あ、坂田さんこそ入れば
いいじゃないですか。
喧嘩あんなに強いなら
剣道もすぐ上達しますよ。」

その瞬間、彼の表情が一瞬
強ばったかのように見えた。
が、すぐにダラけた表情に戻っていた。

「剣道部なんてクソダリーに
決まってんじゃねーか。
残された青春をんなもんに
使ってたまるかってんだ。」

「だらけきった青春になるより
マシだと思いますけど。」

「ほっとけ。
ほら、寮についたぞ。」

「あ、坂田さんも
寮暮らしだったんですか。 」

……そこは学校から100mと
離れてないところにある古い建物だった。

「狭いけど一応一人一部屋あんだとよ。
まぁ寮っていうよりかはアパートだな 。」

「へぇ……案外寮で暮らすのも
いいかもしれませんね。」

「まぁ生活には不自由ないしな。」

そうして部屋に入ってみると
あったのは必要最低限の
家具、鞄、そして
机の上にポツンとおいてある
ジャンプだけだった。

「あれ、何にも……物ないですね。」

「モノを買う金がねーんだよ、金が。」

……この人そんなに生活苦しいのかな。
そう思うと、さっきまでの
一連の行動にも納得出来る。

「んで、何食いてーの?
材料もそんなにねーし簡単なのしか
作れねーけど。」

「え!坂田さんが作るんですか!!?」

「何か文句あるか?」

「いや……」

どうしよ……変なの出されないかな。
あ、でもさっき料理部入るって
言ってたし、それなりに上手かも!
いや、でも姉上だって思えば料理部……

ちなみに姉上の料理の上手さは
人を瀕死状態に追いやれるレベルである。

「あーんじゃあ俺の食いてぇもん
作っから、それでいいな?」

「あ、ははい!」

大丈夫だ志村新八!
お前は姉上の暗黒物質に耐えてきたんだ!
どんな魔物も食い散らしてくれる!!

「……あいつさっきから何言ってんの?」




……15分程沈黙に耐え続けていると
ジュージューという音が
香ばしい匂いと共に聞こえてくる。

美味しそうだな〜なんかワクワクしてく……
いや、期待してはいけない!
世の中期待してロクな事は起きないんだ!
姉上の卵焼きだって音はいい感じなのに……
どうして、どうして ああなるんだろ。
はぁ……
……ていうか僕の独り言多くない!?
手抜きなの!?
僕を使って尺伸ばしでもしているの!?
そんなアニメ会社の戦法なんて小説で
通用すると思うなよ!!
どうせ新八だからキャラとか
どーでもいいなんて
思ってるんだろ!!
騙されませんからね!?
僕は絶対にこんな狡い手には……

「ブツブツブツブツ
うるせェェェェェェェェェ!!」

「イタァァァァ!」

叫び声と同時にトングが飛んできた。

「な、何するん……」

「ほら、出来たぞ」

そこには皿一杯の美味しそうなドーナツが!

「これ、一人で作ったんですか!?」

「たりメーだろ。作った証拠用として
姉ちゃんの分もあるから、さっさと食えよ」

「あ、ありがとうございます!!」

これ、下手したら○スドより
美味しいんじゃないかな!
よーし、頂きまァ……

ドスンドスン

「なんだァ?地震か?」

「いや、違うでし……」

ズシャァァァァァァァァァァァァァァァ!!

「「ぎゃァァァァァァ!!」」

音源の方を見ると壁に
大きな穴が空いていた。

「食わせるネそれ……」

「え?」

「そのドーナツよこすアルゥゥゥ!!」

か、神楽ちゃんンンンンンンンン!!!!?
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