Be in high spirits! inかぶき町高校

□第二訓
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そしてファミレスにて。

「そいや、お前名前は?」

「志村新八です。」

「んだよ、シケた面してやがんなァ
折角不良に絡まれずに済んだのによ〜」

……そりゃテンション下がるでしょ。
何が悲しくて男二人でスイーツを
食べなきゃいけないんだ。
これが可愛い女の子……お通ちゃんとか
だったらなぁ、喜んでお代も持つのに。
そんな僕の気持ちとは裏腹に
銀髪の男は楽しそうにパフェを食している。

「…てか、そちらのお名前は?」

「俺?あぁ、坂田銀時。」

「制服ってかぶき町高校のですよね……?
でも今日学校来てました?」

こんな目立つ人、
来てたら絶対気づくはずなのに
彼らしき人は見なかったし……

「あー 一応俺は登校明日からだから。
高2から転入するもんでよ。」

「え、じゃあなんで制服を?」

「だってよ〜折角高い金払って制服
買ってやったんだぜ?
少しでも多く着なきゃ損だろーが」

いやいや制服って
そういうもんじゃないでしょォォォォ!!

「鞄代はなんとかケチれたんだけどな、
制服だけはどうにもならなくてよ…ったく」

鞄代ケチったのォ!?
てかよく先生が許したなそれェ!

と、気づいたら彼の器は空になっていた。

「あぁ〜うまかったー
んじゃあ、またなんかあったら宜し……」

彼が席を立とうとした時、突如姉上が現れた。

「あら新ちゃん、
こんな所で寄り道してたの?」

「あ、姉上!ど、どうしてここに!?」

「九ちゃんと帰りに
どこか寄ろうって話してたら
新ちゃんが見知らぬ人と居るのが見えて
その様子がまるで
タカられてるみたいだったから……
気になって来ちゃったの!」

真っ黒なオーラを伴いながら
満面の笑みで言った。

「いや……お、お姉さん……
そ、それはですね…………」

(新八くんンンンンンンンン!!
ほら、あれだ!あー自分が奢りたいから
奢ったって言うんだァ!!)

(なんでですかァ!
姉上が言ってることは事実ですよ事実ゥ!
大体それを言って僕になんの得が
あるっていうんですか!!)

(テメッ、この恩知らず!!
さっき助けてやったの 誰だと思ってんだ!!)

確かに、先程助けてもらった人の
遺体を見る羽目になるのも居た堪らない。
仕方なく姉上に弁解した。

「そう、助けてもらったお礼にってことね。
ところでその人は同じクラスの人?」

「いえ、坂田さんっていって
明日から転入するらしいです。」

「ど、どうも〜高2の坂田です〜」

「高2ってことは…
新ちゃんの先輩じゃない〜!
先輩ってことは奢ってくれるんじゃないの?」

「「え……」」

いや僕としてはその方が嬉しいけど……

「ついでに私の分も奢ってくれるかしら!
こういう時は男の子が支払うものよね〜」

姉上が言葉を話すにつれ、
彼の顔はどんどん青ざめていく。

「あ、す、すいませーん
その……今ホント金ないんで……」

「なら財布見せてもらえる?」

……いや、初対面でそこまでするゥゥゥ!?
すると彼はポケットから小銭を取り出した。

「マジでこれだけ……」

12円。

これじゃせいぜいんまい棒一本程度しか
買えない。

「……よくその所持金で
ファミレス入ったわね。」

彼女も呆れ返っている。

「いや……新八くんが奢ってくれる
ってことだったから……」

「………………」

「じゃあ坂田くんの家で何か
ご馳走してもらいましょうか?」

「え、姉上。流石に…初対面ですよ?」

「それをいうなら初対面の人に
奢るなんて不服だわ。
せめて物ぐらい出してもらわないと。」

「……わ、わかりました……。」

そうして会計を済ませ、
坂田さんの家へ連れて行かそうとすると

「妙ちゃん!!!」

またあんたかいィ!!
てか今までどこいってたのォ!!?

「いや、妙ちゃんがスイーツでも
食べたいと言うのでゴディバまで
行ってチョコを買っていたんだ。」

姉上ほったらかして一人でェェ!!?

「そういえばそうだったわね〜
二人に気がいってて忘れてたわ。」

二人とも適当だなオイ!!

「てことで私は九ちゃんの家で
ゴディバ食べてくるから、
新ちゃん一人でいってらっしゃいね
………………絶対に何か貰ってきなさいよ。」

最後の部分だけ強調して
姉上は去っていった。

「…………行こうか、新八くん。」

「はい。」
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