Be in high spirits! inかぶき町高校

□第一訓
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僕の名前は志村新八。
今日からかぶき町高校に入学する一年生。
ここの高校は一学年百人程度と小規模だけど
個性派揃いの生徒達のお陰で
うるさ…賑やかさはどこにも引けを取らない!
なんでもこの辺りに高校が1つしかないから
学力に関係なく多種多様な生徒が
集まってくるとか。
同時に生徒満足度も高いというこの高校に
期待を胸に馳せながら僕は
学校への道を辿っていた。

「新ちゃん?どうしたのそんなニヤけて。
可愛い女の子でも見つけたの?」

「ち、違いますよ姉上!!
いや、今日から高校かと思うと
嬉しくなっちゃって…」

顔が熱くなるのを感じながら僕は答えた。

「まぁ、そんな風に思えるなんて羨ましいわ〜
高校なんて勉強ばかりやらされるわ
先生は加齢臭腐いわ先生はハゲ散らかすわ
嫌なことばっかりなのに。」

「これから入学しようとしてる弟に向かって
何てこと言うんですかァァァァァ!!?
てか後半ただの先生の愚痴じゃないですかァ!」

「ここもそう悪いことだけではないぞ、新八君。
何せ個性派揃いの学校だ。
色んな人が居て飽き飽きしない。」

「そうですよね!僕もそう聞い…
って九兵衛さんいつから居たんですか!!?」

「ついさっきからだ。
妙ちゃんの声が聞こえたから戻って来た」

「それもう半分ストーカーだよねェ!?」

すると姉上が不自然な程の笑みを
浮かべながら答えた。

「新ちゃんは本物のストーカーを知らないのよ。
本物のストーカーはね、ゴリラでゴリラで
ゴリラで変態ゴリラなのよ。」

「殆どゴリラとしか聞こえてこなかったんですけどォ!?
もうそれ変態ゴリラだけでいいよね!?
てかストーカー全員ゴリラ認定しちゃってま…」

「お妙さァァァァァァァァァァん!!!」

僕の言葉を遮るように何処からか声が聞こえた。

「あら、近藤さん!お久しぶりですね
紹介するわ新ちゃん、これが風紀委員で
剣道部のゴリラの形をした人間…違うわ、
人間の形をしたゴリラの近藤さんよ♪」

「エ!?初めての紹介がそれェ!!?
てか最終的に人じゃなくなってるんだけどォ!?」

「この者がいつも妙ちゃんを付回している
おと…ゴリラだ。」

「今男って言いかけてわざわざ直したよねェ!?
てか付回しているっていう点では
君と俺変わらないよねェ!?」

「何!!ぼ、僕は妙ちゃんの友達として
いつも一緒に居るだけだ!!貴様と同じにするなァ!!」

「………姉上。」

「いいのよ、いつもこんな感じだから」

さらりと答える姉上を見ながら、
僕はやっとこの学校の実態が掴めてきた気がした。

と、その時
僕の隣を銀色が通り過ぎていった。

「…え?」

振り返ると、もうそこには銀色の姿はない。
暫く呆然としていると

「どうしたの、新ちゃん?」

と姉上に声をかけられた。

「あ、いや……この学校に銀髪の人って居ます?」

「銀髪?紫とか黄色なら居るけど
私は聞いたことないわ。
でもそんな目立った人いたら
知ってるはずなんだけど…」

「あ、いいいや!僕の気のせいですよ!
太陽でも反射して光って見えたのかな〜ハハハ」

「まぁまた生徒会の人にでも聞いてみるわね。」

それから隣で勃発している姉上争い以外は
何事もなく、ついに学校へ到着した。
するとそこには既に大勢の人々が居て、
各々喋り合っている。

「僕達早めに来たつもりだったのに
皆さんもっと早いんですね〜!」

「まぁ、半分以上が寮に居るからなぁ。
もたもたしてると寮長がうるさいしな!」

「え!?寮なんてあるんですか!?」

「新ちゃんには関係なかったから
教えてなかったけど一人暮らしの
生徒も多いから寮も整備されてるの。」

「ちなみに俺も寮に住んでるから、
いつでも遊びに来ていいぞー!」

「え、なんで寮暮らしなのに
こっちから来てるんですか?」

「そんなの決まってるじゃないか!!
お妙さんと一秒でも長くいるた…グホォ!!」

「時間も無駄ですしゴリラ菌が街に
振りまかれるのでやめてもらえますか?」

「エ、ゴリラにゴリラ菌とかあるのォ!?
だけど俺は辞めませんよ!!
愛のハンターの名に懸けて!!」……………バタッ

「あら、こんな所にショットガンが落ちてるわ。
危ないから職員室へ持って行っておくわね!」

先程より清々しい声色で言いながら
姉上は駆けていった。

「あ!妙ちゃん1人じゃまたゴリラに
襲撃されるから僕も付いていくよ!」

「ゴリラ此処ォォォォォォ!!」

これからこれが毎日あるのかな…
そう思うと少し心が重たくなる。

(でも、この人達は別に学年も違うんだし
あんまり関係ないか!)

できるだけ思考を前向きに置き換え、
僕は講堂へと向かっていった。
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