しょーとなゆめ

□ジンクス?
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嗚呼実に良い日だ、天気はいつもどおりいいし風が気持ちよく髪を揺らす、こんな日はのんびりと読書でもしたいものだ、しかしそんな時に不幸というものは訪れるものである



『ルッチいいぃぃぃ!!!』



まだ扉も開いていないのにあいつの声が聞こえる。せめて扉を開けてから呼ばないか、おそらくあいつは廊下を走りながら雄叫びをあげているんだろう



ル「やはり来たか」



まあ、予想はついていたがまさかこんなにも早く来るとはな



『あーそーぼ!!』


扉が勢い良く開かれる



『あれ?』



しかしそこにはルッチの姿は無かった


『出掛けちゃったのかな?また後で来よっと』


そして扉が閉まる


ル「…よし、行ったか」


ルッチは柄にも無くクローゼットから出て来る、隠れていたようだ(笑)
しかし出た先には頬杖をつきしゃがんでいるりなの姿


ル「あ…」


『あ…じゃねえよっっ!!何やってんだよ!!』


りなさん怒りで口が悪くなってますよ(笑)


ル「…」


『ルッチ…あたしのこと…嫌いになっちゃった?』


りなの声が心無しか震えている気がする


ル「違っ!」



『ごめん、もうルッチの邪魔しないからっっ』


りなはルッチの話も聞かず剃で消えた


ル「りな待て!」


しかしルッチの手はりなには届かず空を切る


ル「オレは…何してんだっ」


ルッチはその場で頭を抱える


ル「りな…オレが悪かった…読書なんてしなくても良い、だから…」


『戻って来てくれっっ!!』


ル「!?」


『でしょ?』


りなは悪戯っぽく笑う


ル「チッ」


りなの思惑に気づけなかった自分に苛立ちを覚える


『えー?舌打ちは無いでしょー(笑)』


ルッチは返事もせずにソファーに腰掛ける


ル「…りな、ジンクスって知ってるか」


『ん?なーにそれ?』


ルッチは予想通りの返答にニヤリと笑う


ル「ジンクスって言うのはな、例えばオレが外に出るだろ、左足から出ると必ず犬に追いかけられるとか右足から出ると必ず転ぶとか」


『ブフッ!ルッチいつもそんなんなの?』


ル「バカヤロウ、例えばと言っただろう、オレが犬になど追いかけられるわけ無いだろう、仮に追いかけられたとしてもすぐに殺せば問題無いそんな事で落ち込むオレでは無い(ドヤァ」


『いや、問題多アリですから(笑)なんですぐに殺しちゃうの、何か前ぶりがあっても良いと思いますけどυてかドヤ顔やめろ(笑)』


ル「…まあ、ジンクスとはそう言うものだ、オレにもジンクスはある」


『ええ!?ルッチにもあるの!?へー!ルッチにとってのジンクスってどんなんなのー?知りたい知りたい♪』


りなは目をキラキラと輝かせる


ル「ああ、それはオレがのんびりしたいと思った時に必ず来るんだ」


『うんうん!』


ル「そしてオレの休日を簡単に潰してくれる」


『うーわあ!可哀想!でも大丈夫そんな時はあたしがルッチと遊んであげるからね☆』


りなちゃん可愛くウインク☆(笑)


ル「…」


説明しよう!今ルッチが言ったジンクスとは正にりなの事である、ルッチはそれを自覚させる為にわざと分かりやすく言った筈だったがそんな事はりなに通用する筈も無くこの有様という訳だ(笑)



ル「オレがバカだった…」


そんな独り言もりなの耳には届かなかった


『あー!そうだ!あたしにもジンクスあるよー♪』


ル「…ハァ、どんなだ」


もうさっきから振り回されっ放しのルッチはかなり疲れ果てていたようだ(笑)


『んーとね!ルッチの部屋に来るとー絶対楽しいんだー♪』


ル「…バカヤロウ、それはジンクスじゃないだろう」


ルッチは照れ隠しでりなをギュっと自分の方へ抱き寄せる


『えへへー♪やっぱり今日も楽しい♪』


ル「バカヤロウ」


今日もりなちゃんのジンクスは大当たりです☆




end

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