BROTHERS CONFLICT 〜magic war〜

□始まり
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「んっ...

あれ?私...」

私は目を覚ました。


周りをみるとまだ片付いていない部屋
(...多分置かれているダンボールからして、私の部屋なんだろう)のベッドの上だった。

「あれ...私確か兄弟に挨拶してて...」

はっ!


私は意識を失う直前の侑介くんの言葉を思い出した。


苦しくなった胸を押さえる。

「......そりゃそうだよね。
いきなり私がいるんだもん。
...迷惑だよね」










そこへ




ガチャッ




雅臣「あ、起きた??」



雅臣兄さんが扉を開けて入ってきた。



あわてて体を起こす。





「あの...私......」



雅臣兄さんはゆっくりと私のベッドのそばに座る。




雅臣「倒れたの、覚えてる??」




「あ、はい。」




雅臣「びっくりしたよ。熱はなかったけど、顔が青かったから...
まだ体調悪い??」



「いえ...どこも、なんともないです」




私がそう言うと雅臣兄さんはふわっと笑った。




雅臣「よかった。
あ、そうそう。
僕達兄弟は、君のこと、みんな歓迎しているよ」




「え...」





雅臣「侑介、驚いただけで本当はあんなこと思ってないからね。

...だから、そんな悲しい顔はしないで。
笑ってほしいな。」







......なんで私が思ってたことがわかるんだろう。





「......はい。」



私がそう答えると雅臣兄さんはいたずらっぽく笑ってこう言った。






雅臣「それにね、実はね………」







雅臣兄さんは私に耳打ちした。






「じつは侑介、君が倒れたってきいたら、ものすごい速さで走ってきて、しきりに君の体調を心配していたよ。


『熱はあるのか?』
とか
『すぐ良くなるよな??』
とか。」





私は驚きのあまり目を見開く。





雅臣兄さんは人差し指を口にあて、
「内緒だよ」
と笑っている。







「......それって、


要するに




侑介くんがただ恥ずかしがり屋なだけってことですか??」



ようやく思考を取り戻した私は雅臣兄さんに確認するように言う。




雅臣「ま、そういうことだね」





私は肩の力が抜けていくのを感じた。



同時に今まで私はなにを心配していたのかと自分で自分が可笑しくなってきて、笑いだしてしまった。


「あはははは

侑介くん、わかりにくいけど、可愛いですね。」





ひとしきり笑い終えると雅臣兄さんが私を見て微笑んでいるのに気付いた。




「うわっ!
ごめんなさい、変でしたよね」





すると雅臣兄さんは座りなおして言う。


「やっぱり君には笑顔が似合うね。

......君にはずっと笑っていて欲しいな」



そこまで言い終えてから雅臣兄さんは我に帰ったのか顔を真っ赤にしていた。






優しいなぁ......




こんなに優しい人達が私の兄弟なんだ。



私は心から雅臣兄さんに伝える。

















「朝日奈家の家族になれて、とても、
とっても幸せです。」
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