*virgin killer & if

□virgin killer
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兵長は、あたしを体から少し離した


あたしを見つめ、髪を優しく撫でた


「…明日、エルヴィンに報告しなきゃな…」
「へ…」



ニヤリと笑った兵長は、そのまま顔を近づけた



唇が重なるまであと少し…


あたしは瞳を閉じた






















バタン!!!!!!!!!!



「ユリアー!!!!!」




ガバッと離れるあたしたち



ソファの後ろからひょいと、顔を出すハンジさん


「あれ?あ、ここにいたの?」
「…ハンジ、てめぇ…」



そんなハンジさんを睨みつける兵長



「ハンジさん!入っちゃだめですよ!」
「エレン、ハンジを連れて、早く行くぞ」



そのハンジさんの後ろから、エレンと団長が現れた




「てめぇら、あれほど言ったよな!?俺の部屋に来んじゃねぇって!!」


兵長がエレンと団長に叫ぶ



「ユリア〜、無事だったかい?」

ハンジさんはあたしを抱きしめた


そして、あたしの左手を見つめた



「あっ!やっぱりしてる〜」
「えっ////」



ハンジさんは団長とエレンに見せるように、左手を持ち上げた



「バッ!バカ野郎!」


兵長はそう言って、あたしの左手を隠した



「リヴァイもなかなか、可愛いのを選ぶんだな」
「ピンク色のダイヤモンド」
「うるせぇ!!」



団長とエレンはニヤニヤと笑っている



そう、兵長からもらった指輪は、ピンク色のダイヤモンドを使った指輪だったのだ




ハンジさんがあたしの耳元で囁く



「これを選んだ時のリヴァイは、面白かったよ」
「…そうなんですか?」
「うん、顔を真っ赤にしながら店員を睨みつけて、これをくれ!って…」



想像がつくなぁ…




「私に指輪を選ぶのを付き合ってくれって頭下げたんだよ」
「…兵長が」


あの…、年上の人でも敬ったりしない兵長が…



「リヴァイが私に頭を下げるのは、いつもユリアのためなんだよね」
「え…、前にもあったんですか?」
「…まぁね」




とハンジさんは微笑んだ



兵長は、ニヤニヤしているエレンと団長に向かって叫んでいた



そんな兵長が、愛おしくなった



「今日は2年の記念日って聞いてね、指輪は今日渡すだろうって思ったのさ」
「…だから、あたしを早めに終わらせてくれたんですか?」
「まぁ、ユリアもソワソワしていたしね」



あたしをニヤリと笑って見つめるハンジさん



「っ//////」
「リヴァイー、式はいつするんだい?」




ハンジさんは、兵長に話しかけた




「…考えてなかった」



兵長は、ハッとする



「明日にしたら?」

ハンジさんがそんなことを言う

「明日でいいんじゃないか?」

と団長まで



「明日お休みですしね」



エレンまで!



「えっ、き、急すぎません?」


あたしはいくらなんでも早すぎると思った


準備とかしてないし…



「…わかった」


しかし、兵長は承諾したのだ


「え?兵長まで!!」


思わず叫ぶあたし


そんなあたしに構わず



「じゃあ、また明日ですね」

と、エレンは笑顔で部屋を出て行った


「リヴァイ、明日が結婚だからな」


と団長



「まだ恋人同士だからね〜」



とハンジさんは言って、部屋を出て行った















――――――そして、2人きりになった




「あの…明日は急すぎませんか?準備とか、しなきゃ…」
「…してある」



ぼそっと呟く兵長



「え?」
「あいつらに頼んで、準備してある」
「…えっ!?」





兵長は、あたしをニヤリと笑いながら見つめた






































そして、夜が明けた―――――――――――――――

なんか、うるさいな…


「…うーん」


と寝返りを打つと


「ユリア、起きて」



ハンジさんの声が聞こえた




「…ハ…ンジ…さん?」



ハンジさん?



ガバッと飛び起きたあたし



隣にはニヤリと笑うハンジさん


そしてその後ろには…




「ティア!」
「も〜、遅いよ!」




笑顔のティアがいた




ティアとは、前と変わらず親友に戻った


兵長と別れた後、ティアはあたしの所にきて



「やっぱり、ユリアだったんだ」
「え…?」
「兵長はね、ずっとユリアのことばっかり見てたの」
「…」
「あたし勝てないなって思った」
「ティア…」
「あの時はごめん…。許してもらえるか分からないけど、ユリアと兵長お似合いだし、応援してるから幸せになってね」
「ありがとう…」




と言ってくれたのだ





…でも、なんでティアがここに?




「ティア、後は任せたよ」
「はい!任せて下さい!」




任せた?
一体、何を…?
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