*初恋はお兄ちゃん

□初恋はお兄ちゃん
1ページ/4ページ


あたし、椿 愛理には、自慢のお兄ちゃんがいる



お兄ちゃんは椿 佐介


あたしと双子なんだけど、周りからは似ていないって言われている


1つ目は、顔。
お兄ちゃんはキリッとしていて、妹のあたしが言うのもあれだけどかっこいい
でも、あたしは童顔でいつも年下に見られることがコンプレックスだ


2つ目は、頭の良さ
お兄ちゃんは将来お医者さんになるために、一生懸命勉強して、学年でもトップクラス

それに比べてあたしは、毎回下位から数えたほうが早いくらい


3つ目は、性格
お兄ちゃんは真面目。
あたしは不真面目。




本当に双子なの?ってくらいあたしたちは似ていない




友達にも似ていないと言われていた




そんなあたしは高校生になった




お兄ちゃんが行く、開盟学園にあたしも入学した



お兄ちゃんと離れるなんて、嫌だった


ずっとずっと一緒にいたい



あたしはお兄ちゃんが好きだった



「おはよう愛理」
「あっ、キャプテンおはよー」

登校途中、あたしと仲良い高橋千秋ことキャプテンに会った


スポーツが出来るから、あたしの憧れだ



「今年は二年生かぁ〜、早いなぁ〜」
「そんなこと言わないで、楽しもうよ!」
「キャプテンは前向きだねぇ」



歩きながら、そんな話しをする


あたしはもう、高校二年生になった


あと、一年でお兄ちゃんと離ればなれになっちゃう




「あっ、ボッスン!」
「ぼっすん?」


あたしたちの前には、いつもの3人組がいた



「おー、キャプテン!」


真ん中のつの帽子が振り返る
くせ毛がすごい…

「おはよう!キャプテン」

その隣には、金髪の女の子
わぁ…外国人みたい

『キャプテーン』

メガネをかけた人は、パソコンをカタカタ言わせている


「お前なんやそのノリ!」

あっ…外国人なのに関西弁





「おはよう!!」
「あれ、キャプテンの友達か?」
「うん、そう!!友達の愛理、今年から同じクラスなの」
「そうだったのか、オレは藤崎 佑助だ。みんなはボッスンって呼んでる、よろしくな愛理!!」



ニカッと笑ったつの帽子のボッスン



なんとなく、お兄ちゃんに似ている気がした




「よろしく…ボッスン」









「お兄ちゃん」


あたしは宿題のある夜
お兄ちゃんの部屋を訪ねた


「なんだ?愛理」


机に向かったまま返事をするお兄ちゃん



「宿題、教えてほしいんだけど…いい?」


おそるおそる聞いてみると、イスをくるっと回転させてあたしを見るお兄ちゃん



「自分でやっても分からなかったのか?」
「…うん、全然ダメだった…」
「しょうがない…教えてあげよう」


優しく微笑んでくれるお兄ちゃん


「ありがとう、お兄ちゃん!」


あたしは嬉しくなり、勢い良くお兄ちゃんに抱きつく



「わっ!!離れるんだ愛理!!」



顔を真っ赤にさせるお兄ちゃん




…妹でも恥ずかしいのかな?







お兄ちゃんの説明が上手すぎて

宿題がすんなり終わってしまった



「よし、僕はまだ勉強するから、愛理は部屋に戻って早く寝るんだ」
「…まだ早いもん」
「早く寝て、早く起きればいい」



せっかくお兄ちゃんといるのに…



そうだ!!




「ねぇねぇ、お兄ちゃんって藤崎佑助って知ってる?」
「藤崎?」


食いついた!
というか嫌な顔してる!



「うん、今日キャプテンといたらボッスンとあと、ヒメコちゃんとスイッチと会ったの」
「スケット団か…」
「お兄ちゃんと仲良いの?」
「愚か者、そんなわけないだろう!」


すぐさま否定するお兄ちゃん



「あ、そうだよね…」
「…愛理、くれぐれもスケット団、特に藤崎には関わるな!いいな!」
「え…うんうん、分かったよ」








お兄ちゃんの気迫に、あたしはたじろいだのでした
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ