*virgin killer & if

□virgin killer
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今日、(正確に言えば30分後だけど)はリヴァイの誕生日


あたしは、そんなリヴァイのために、プレゼントを用意した



毎日身につけてもらえるスカーフ



やっぱりリヴァイにはスカーフが一番!



そう思ったあたしは、プレゼントを隠し持ち、リヴァイの部屋へと向かった




コンコン…




「誰だ?」
「ユリアです」
「入れ」




ガチャ…



部屋に入ると、書類を見つめているリヴァイの姿があった




「なんだ?こんな夜遅くに」




それもそのはず、今は夜の11時過ぎなのだから




「邪魔…、ですか?」
「いや、構わねぇ」
「良かった…」




リヴァイにそう言われ、あたしはソファに座る




あと、10分…




時計を見ながらそんなことを考えるあたし




「ユリア、退屈じゃねぇのか?」
「え、あたしは別に…」
「ならいいが、まだ終わらないぞ俺は」
「次の壁外調査の書類ですか?」
「あぁ、1ヶ月後だそうだ」
「…そうですか」




あたしは、リヴァイに以前“調査兵団を辞めろ”と言われた



“死”と隣り合わせの職業だから、余計かもしれない




でもあたしは、辞めたくなかった



せめて、子供ができるまで




あたしは、ユダと…



エルドさん、ペトラさん、オルオさん、グンタさん



みんなと、戦い続けたかったから…





そんなあたしに、呆れたようにリヴァイは笑っていた



お前に辞めろと言った所で、聞かないことは分かっていたというように




でも、リヴァイと約束させられた




“無茶をするなということ”


“何があっても、死ぬなということ”


“子供ができたら、調査兵団を辞めること”




この3つだった




リヴァイにそんなことを言われて、思わず笑ってしまったあたし



リヴァイは、“笑い事じゃねぇ”ってあたしを睨んでいたけど



あたしだって、リヴァイに死んでほしくない



でも、リヴァイには




調査兵団で、巨人の肉を削ぎ落とし続けてほしい




鮮やかに肉を削ぐリヴァイは、一番かっこいいから



でも、まぁ…




コーヒーを飲みながら、書類を見るリヴァイもかっこいいけど…





「見すぎだバカ」
「…ごめんなさい」




リヴァイにバカって言われちゃったけど




カチ…




時計を見ると、ちょうど12時を差していた




なった!



あたしは、プレゼントも持ち、リヴァイの前に立つ




「リヴァイっ!」
「…なんだ」



チラッとあたしを見るリヴァイ



そんなリヴァイに、プレゼントを差し出す



「はい、お誕生日おめでとうっ!」
「………、あぁ、悪いな」



少しの間の後、納得したようにリヴァイはプレゼントを受け取った




「もしかして、忘れてた?」
「…最近忙しかったからな」




そう言って、リヴァイは体をほぐした



…疲れてるんだな…





「リヴァイ、肩もみでもしてあげようか?」


そういうと、嬉しそうに笑うリヴァイ



「あぁ、悪いな。だが、先に中身見てもいいか?」


とプレゼントを指差した



「うん、気に入ってもらえると嬉しいんだけど…」



そう言えば、ガサガサとプレゼントを開けるリヴァイ



そして、箱を見つめて一言




「…スカーフ、か?」
「うん。リヴァイ、毎日つけてくれるでしょ?」
「…」
「だから…」




リヴァイは、ガッと椅子から立ち上がった



そして、あたしに近づいた



「…リヴァイ?」
「気に入った」



そう言って、あたしを抱きしめた




…良かった




あたしは嬉しくなり、リヴァイの背中に腕を回した




「お誕生日、おめでとう」
「あぁ」




あたしは、リヴァイに軽くキスをした




そしてリヴァイは、あたしを見つめた




「…俺は、ユリアにクリスマスプレゼントがある」
「え、あたし用意してない!」


そうだ!今日クリスマスだっ!!



「お前からはもうもらったし、何もいらねぇ」
「でも…」




リヴァイは、あたしの頭を撫でて、机の引き出しから、小さな箱を取り出した





「開けていい?」
「あぁ」



あたしはリヴァイから、小さな箱を受け取り、開けた




中には、ネックレスが入っていた



それも、天使の羽根のようなものがついた





「…リヴァイ、これ…」
「前から欲しがってただろ?」




あたしは、このネックレスを街で見かけた時



リヴァイには何も言ってない




確かに欲しいって思ってたけど…



まさか、リヴァイが分かっていたなんて



思わず涙がこぼれた




「…ありがと…、リヴァイ…」
「泣き虫」
「ふぇぇ…っぐず…」




リヴァイは、あたしを抱き寄せた




「いつになったら、泣き虫を卒業するんだ?」




と、意地悪く笑われながら




あたしは、リヴァイの腕の中で泣いた






















少し落ち着いたあたしは、改めてリヴァイに聞く




「リヴァイ、クリスマスプレゼント、何がいい?」
「…いらねぇって」
「何でもいいから!」



何かリヴァイにもプレゼントしたい!


その勢いで言っちゃったが…



リヴァイはニヤリと笑った




「…、言ったな?」
「…え、まさか…」




嫌な予感しかしない…




「そのまさかかもな、ユリア…」
「リヴァ……」






あたしの言葉は、リヴァイの唇に奪われた
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