*初恋はお兄ちゃん

□初恋はお兄ちゃん
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【椿side】

僕の腕の中で、妹が寝ている


世界で一番大切な、僕の妹



子供の姿になって、可愛さが増している




そんな妹を見て、思わず笑みがこぼれる



スー、スー、と寝息をたてる口元



可愛らしい唇に、僕は唇を重ねた



柔らかくて、甘い唇




理性が保てない




僕は、一度ならず何度も愛理の唇に触れてしまった




妹なのに
大切な妹なのに



僕が妹を汚している




愚かな僕をみんなは笑うだろう





でも僕は、世界で一番に妹が好きなんだ














「中馬先生、買ってきました」



学校に戻り、愛理を起こさないように小声で話す



「ご苦労だな、椿」



中馬先生も気づいたのか、小声で話してくれた




「いえ、妹がすいません」
「真面目だな…ちょっと待ってろ」















僕は、愛理を抱っこしたまま、スケット団の部室で待っていると





「おい椿、早く着替えさせろよ」
「えっ!?」
「せやで、このままおっきなったら服破れるで?」
「鬼塚が着替えさせてくれないのか!」
「妹やもん、ええやん」
「…」
『子供の姿だし』
「…」







みんなは、僕の気持ちをなにも知らない






「…にぃ……ゃん」



寝言だろうか
愛理が可愛らしい声を出す






そんな愛理の服を脱がし、着替えさせる僕







僕は汚れている




妹にこんな感情を持つなんて





扉の外から声が聞こえる



「椿、終わったか?」
「あぁ」
「チュウさんの薬持ってきたで」
『まだ起きないのか?』
「あぁ、今起こす」




ガララララ…




藤崎たちが部室に入ってくる





「愛理、起きろ」
「…ん、くわぁ〜」
「あくびしとる!」
「のんきだなぁ…」
『早く飲まないと危ないぞ』
「分かった、愛理飲め」
「はぁい」




まだ寝ぼけているのだろう




目がぽや〜っとしている





薬を飲ませると、愛理の体は戻った









「良かったな愛理」
「うん、良かった」
「じゃあな」
「ばいばい」




学校から出て、スケット団とさよならをする愛理






「お兄ちゃん、ごめんね…気づいたら寝ちゃった」
「別にいいが、よだれが出ていたぞ」
「えっ!?ごめんなさい!」




頬を赤らめる愛理




全く、よだれは冗談だが、その顔は反則だ






「あと、寝顔がすごかった」
「わぁー!ごめんなさい!!」






さらに赤らめる愛理





僕は意地悪だな…
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