明治ノ夢
□1話
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芽衣ちゃんが行方不明になって1ヶ月
「今日も見つからなかったなぁ......」
あの日以降私はいつも芽衣ちゃんを捜している。1ヶ月前のあの日、突然みんなの中から芽衣ちゃんの存在が消えていたのだ。彼女の家族やクラスメイト、先生に聞いても口をそろえたかのよう「誰、それ」と言う。もうどうなってるのかわからない、でも彼女に聞けばわかるかもしれない。そう私は考えてあの日から毎日彼女を捜しているのだ。
(芽衣ちゃん、今どこにいるの?)
しばらく歩いていると、祭りばやしが聞こえていることに気づいた。......祭り、か。
「芽衣ちゃんと行く約束してたのになぁ」
はぁ......とため息をつく。すると後ろから急に声をかけられた。
?「......君、芽衣ちゃんの知り合い?」
「うわぁ!!」
び、びっくりした!振り向きつつ、文句を言う。
「いきなりなんです……か?」
少し言葉が詰まってしまった。声の主の格好に驚いたのだ。えんじ色のシルクハットに燕尾服、それに嘘くさい笑顔。
(なんなんだろ、この人)
警戒してたら、
?「あぁ、いや。驚かせてごめんね。で、さっき“芽衣ちゃん”って言ってたけど、もしかして君と同じ学校に通っていた綾月芽衣ちゃんのことかい?」
!?芽衣ちゃんのことを覚えてる!?
この人、芽衣ちゃんとどういう関係があったの?
「そうですけど、あなたはどちら様で?芽衣ちゃんとどういう関係ですか?」
?「ん?あぁまだ言ってなかったね。僕はチャーリー。天才奇術師で、芽衣ちゃんをここから消した張本人さ!」
ちょっとまて!