ミスミソウ
□第十七話
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「気を付けていって来いよ」
いつも無表情である剣城くんがいつも観察している私ならわかる、ほんの少しだけ笑ってた。
その表情にどきりとしながらも剣城くんの家から自分の家への道を歩いて行く。
袋なんかはあるはずだから手ぶらで歩いて行く。
剣城くんはサッカーでもしに行くのかな?
ジャージだったし…、いつも剣城くんの事を見てるからわかる、剣城くんがどれだけサッカーの事が好きなのかを。
昨日の天気とは違って…、青く晴れた空はまるで笑っているようだった。
水溜まりには綺麗な青空が映ってキラキラしている。
昨日剣城くんが洗濯してくれた制服を着て休日にも関わらず制服で道を歩く。
そうしてると見えてくる私の家。
普通の一軒家が見えてくる。
「…、荷物を取りに来ただけ…」
深呼吸を数回し、インターホンを押す。
緊張感はもう吐きそうなぐらい酷くて冷や汗がたらたらと額や鼻筋から流れる。
インターホンから出てきた声はまさしくあの子。
《今開けまーす》
妹の理乃ちゃんだった。