ミスミソウ
□第八話
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「これからどうしようかなぁ…」
顔を上げて雨に打たれる。
弱くなってきた雨は優しく私を包むようだった。
灰色の空を見上げて灰色の動かない雲を見つめる。
目を細めて空を見つめる。
なんにも変わらないけどただ見つめていた。
住む場所も、私の癒される場所も、何も無い…。
神様はそんなにも私に幸せを与えたくないのですか?
なんて、悲しいことを考えながら地面を見つめる。
地面に水溜りが出来ていて、沢山の私で遮れない雫が波紋を作っている。
すでにびちょびちょになった制服は素肌に張り付いて重たい。
髪だっていつもの内巻きの癖が無くなって真っ直ぐになっている。
毛先からは雨とは違い、水滴がぽたぽたと濡れて色が濃くなったスカートに落ちては染み込んでゆく。
あれ?雨が止んだの?
上を向くと傘をさした私の好きな人が私を傘に入れて、すぐ横に立っていました。