ミスミソウ

□第十六話
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「ん…」




私は生温かい風で目が覚めた。
なんの風だか分からなくてぼーっとする頭を…、思考をはっきりさせる事、そして半開きの眼を擦る為に手を伸ばした時こつんと音が耳元でした。




「ほぇ…?」




まだ目が覚めたばかりで歪む視界が捕らえたのは肌色。
今だに私に吹き付ける生温かい風。
そしてこつんと当たった手の甲が人肌ぐらいの温かさがある。
上を見てみると、あぁ何だ剣城くんか。

私はまた眠りにつこうと瞳を閉じ…






てええええええええええ!!!?




恐る恐る上を見てみるとやっぱり剣城くんのドアップ。
うわあ綺麗な顔立ちしてるなぁなんて思ってしまう。
ん?待て私に当たる生温かい風は剣城くんの寝息?
ああああああ幸せ過ぎいいい!
私に剣城くんのあの剣城くんの寝息がかかっているだなんて。

私はちゃっかり剣城くんにくっついてしまおう!なんて写真を撮りたいなんて欲を押し込め一人悶える。


私の手の甲は剣城くんの顎に当たっていてそのまま滑らせるように頬へと手を運ぶ。



「ん…」



剣城くんの声にはっとし、動かす手は剣城くんの頬まであとあと5ミリ。
私の手は剣城くんに触れず自分の口元へ。


触れたかったなぁ…、なぁんて…ね?
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