ミスミソウ

□第十話
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「あ、ありがとう…」


上手く笑えただろうか?
剣城くんに向けて笑ってみせた。
嬉しすぎて泣いてしまいそう…。
嬉しすぎて死んでしまいそう…。

そんな思いが胸の中でふわふわと飛んでいる。




「それより、



何で家に帰れないんだ?」


心配そうな顔をして彼は私を見つめる。そんな顔してほしくない、私なんかの為にそんな顔してほしくないよ…。
私は剣城くんの笑顔がみたいな。
他にも真剣そうな顔とか…、ね?




「…、ねぇあなたは家族の事好き?」



剣城くんは頭にハテナを浮かべながらあぁと短く答えた。


「私も、お父さんとお母さんの事が好き、家族の事好き」


剣城くんは何言ってるんだ?コイツみたいな顔をしているだろう。
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