いんすとーる(仮)

□しーい
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「あっ・・・、」


可愛らしい声が左横から漏れる

ふと足元を見ると領収証らしきものが一枚

何気なくそれを拾いさっきの声の主であろう者へと渡す。


「すいませんっ、ありがとうございます。」


手渡した相手の手を見ながら顔を上げた


「――――――――――っ」

「どうも、」


ニコッとまだ少女らしさを残す笑みを向ける

その瞬間固まった

それと同時に鼓動が速くなる


「おーい!アズナー行くぞー!!」

「あ、はい!では、」


パタパタと過ぎ去っていく彼女

名前を呼んだ先には何と何度も見覚えのある親友ではないか


「ヒューズ!!」

「えぇ!大佐ゲイなんスか!?」

「!?なっ!何を寝ぼけたことを言っている!!」

「いやだって、本命は誰なんスかって聞いたら
大佐がいきなりヒューズ中佐の、

「そんなことよりあれを見ろ!!」


ガシッとハボックの胸ぐらをつかみ楽しそうに話しているヒューズたちを指さす


「あーヒューズ中佐じゃないっすか、
あれ?横の女(ヒト)奥さんじゃないですよね?」

「夫人はショートカットで金髪ではない!!」

「浮気……スか?」

「ヒューズは夫人と娘に溺愛だ、」


掴んでいた胸ぐらを離し椅子に座りなおす


「何そんなに騒いでるんスか?知り合い?」

「いや……、」


さっき話したばかりの女性…、
などと言えず押し黙る

なんだこの胸の鼓動は・・・

身体が熱くなっていき心臓が暴れだす

そして頭の中に引っかかるあの名前

“アズナ”…どこかで、










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