いんすとーる(仮)

□ごーお
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「よぉ!ロイ遅くなってすまねぇな!!」


バーンと現れたヒューズはすかさず俺の隣に座りビールを一つ頼んだ


「家は大丈夫なのか?」

「おう!今日は遅くなるって伝えてあるし、
何かあった時はアズナがいるしな、」

「な!?は!?!ア、アズナ…さん!?」

「今俺の家に居候中なんだ、でもお前あれだろ?アズナに惚れたんだろ?」

「!!」


図星を突かれたように一瞬心臓が止まった

すると身体中が熱くなり顔が真っ赤になるのがわかる


「!やっぱりな!!お前のそういう顔初めてみるな!」

「だ、黙れ!酒のせいだ!酒の!!」


とは言いつつ酒には弱くなく、

まだぜんぜん手を付けていないグラスの中の酒を一気に飲み干した


「でもまぁ、優しい俺は親友のために一肌脱いでやろうじゃねぇか、
応援してやるよ!」

「ヒューズ…、」

「でもお前ギリロリコンだな!」


ガクッと3杯目の酒を溢しそうになった


「だってアズナは17だぜ?お前は今26、
九つも離れてりゃ子供みたいなもんだ。」


確かに若い感じはしたがまだ10代だなんて
予想もつかなかった


「いつから入っているんだ?」

「おうよ!それを今から説明しようと思ったんだ」


そう言ったヒュースのグラスには2杯目の酒が注がれていた


「名前はアズナ・クローン、出身は東部の西側に位置するユナスコって町で
14、5ぐらいから旅をして、1カ月ぐらい前から軍に入ってるって訳だ」

「ずいぶん大雑把だな、14から旅って事は両親はどうしたんだ?」


一瞬動きが止まった

やっぱり聞くよなと呟くと一つ間を止め重たく


「…死んだらしい」


悲しみの混じった瞳がそう言った


「死んだ…、内乱のせいか…?」

「さぁな、そこン所よく話してくんなかったし、1か月ぐらいしかアイツといられなかったしな。まぁ、俺はいつまでも待ってるけどな。」

「随分と気に入っているんだな、」

「あの歳で軍に入ってることは何かあるんだろう」


まるで鋼のに似ているな、と少しばかり思った。


「しかし、何故少佐なんだ?聞いてみればコネを使う権力をもった家柄でもない、
なのにあの若さでその地位は無理があるぞ」

「気になるよな、そこは、」


後ろめたそうな顔をして飲んでいたグラスをカウンターに置く


「お前さんの耳にもいずれ入るから言うが、
あれだ、お前と一緒な奴だよ。」

「一緒……まさか…!」

「そう、アズナは国家錬金術師だ。」


いきなり少佐の地位ってそれしかないだろ、と苦笑いしながら呟くヒューズ



あぁ、なんてことだ

あんな可愛らしい少女までもが人間兵器だなんて、


「二つ名は聞いたのか?」

「あぁ、確かひでぇ名前だったよ、あんな明るくていい子がなんであんな名前を付けられたのか、
大総統は何を考えているんだがよ、」



「アズナの二つ名は―――――、」















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