Dream
□素直になれなくて
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そろそろ夏が終わり、朝と夜は肌寒い秋の季節に移り変わっていく頃。
今日も平和な1日を過ごしていた。
「スキあり!」
「ひゃあっ!?」
ツゥ…と背筋をなぞられ、私は変な声を出しながら背中を反らせた。
もう遅いが口を手で押さえて後ろを振り向く。
そこには、してやったりとニンマリとした笑みを浮かべている誠司が腕を組んで立っていた。
ほんっとうに…毎度毎度……!!
「…っセクハラ!訴えるよ!?」
「なんだよ背中なぞったくらいだろ」
「十分セクハラだっつーの!!」
ギャンギャンと騒ぐ私たち(主に私)のこんな状況は日常茶飯事。
だから教室だろうが、廊下だろうか、周りの人たちにとってはいつもの光景であり、誰もケンカを止めたりはしないのだ。