短編

□僕が人じゃなくなっても…
4ページ/4ページ




白澤は天へと帰っていきました





シロへ薬と保存の効く食べ物を置いて








あの青空へと消えていきました










天へと帰った白澤は妖怪達の歓迎を受けました



半年以上の長のお帰りです




そこには美女な妖怪たちがたくさんいましたが、白澤は見向きもしません


妖怪達は疑問に思いました
その筈です、今までなら何を優先しても美女達を選んでいたのですから



白澤は一人薬をつくり続けました










そして



「…できた」



とうとう出来たんだ!!

白澤は万能薬


金丹を作ることに成功しました



何日も寝ずにろくにご飯も食べなかったのでしょう



その疲れが眼に見えました



けれど白澤は気にしません
なぜなら愛しい人をこれで助けられるのですから





白澤は急いで現世へいきました



そしてあばら家へ行きました




「シロちゃん!お待たせ!!ついに、ついに出来たよ!!」


これでシロちゃん元気になれるよ!!



部屋に入った白澤は一心不乱に叫びます




けれど






「…シロちゃん?」




シロの声は聞こえませんでした



白澤はそっと床へと向かいます


そこには静かに眠るシロがいました




「雪ちゃん聞いて…、僕とうとう薬を作ることが出来たんだよ?これで#シロちゃんを治してあげられる
なのに









ッそんなに冷たくなってたらもう薬も飲ませてあげられないじゃないか…」





雪は息をしていませんでした




人間とはいかに儚い生き物なんでしょう

白澤は雪の口に薬を入れます

けれど雪はもうそれを飲み込むことは出来ません
白澤は冷たくなったシロのわ身体をそっと抱き上げました

その拍子に口からコロリと金丹が転がってそれは窓の光を受けキラキラと輝いていました




それは雪が降る寒い季節のことでした






「…大丈夫、シロちゃんなら天国行きに決まってるよ…、だから

僕も次は待ってるよ、君が僕のところへ来てくれる日まで」



そして言うんだ
遅れてしまってゴメンねと




白澤はシロが握ってる紅い紐をとりました



そして



「バイバイシロちゃん

また、天国から待ってるからね?








愛しているよ」





白澤は天へと帰っていきました





ーーーーーーー


「最低!!私にもう近寄らないで!!」


「ぶふ!」


「あ〜ぁ、白澤様、今回で何回目ですか?そろそろいい加減身を固めた方がいいんじゃないですか?」


「なにいってるの、僕はこれでいいんだよ、僕は愛しているって無責任なことは言わないよ」


時は流れ、白澤は漢方の薬屋を始めました
そして従業員も増えました

白澤の耳には留め具が華の形をした紅い紐が少し形状を変えてつけられていました




がらがら


「あっ、お客さまだ」

「なになに?可愛い子?」

「あんたホントにそればっかだな」





いらっしゃいませ










今日も白澤は笑顔でお客を迎え入れます

耳につけた紅い紐はキラリと輝いていました







待つよ



僕はいつまでも待ってるから







愛しているよ


愛しい君へ







ーーーーーーーーーーーーーー
あとがき

始めての白澤さん!
内容はボーカロイドの四季折りの羽根を聞いてたら無性に書きたくなりました(*´∀`)俗にいうボカロパロ

これを見ながらその曲を聞いていただいたらと思います!













.
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ