鬼灯の冷徹

□お題
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あの日貴女は私に嘘をつきました


あの日私は貴女に酷いことを言いました



その後貴女へ怒り、私はわざと話しかけても返事をせず、距離をとりました


その後貴女とはもう二度と会うことが出来ませんでした












私は貴女に言いたいことがあるのです













「…今日は道に咲いてたこの黄色い花を持ってきました」



山ノ上に一人の幼い男の子がいました



「私は名この花の名を知りませんがきっと貴女なら知ってるんでしょうね」













ーーーーーーー



「丁君私この村を離れることになったの」



初めてそのことを聞いたとき


私の胸の中がなぜかズキリと痛みました



「この村にはもう戻らない」


その言葉を聞いたとき


何かが崩れる音がしました




「そんなに遠い村へと行かれるんですか?」

「…うん、けど丁君だったら大丈夫だよね!私がいなくてもなんの問題もないよね」


私はこれからいなくなるから頑張るんだよ?とへらりと笑ってそのことを言う貴女に私は



少なからず怒りを感じました


「なんで…貴女が私の気持ちを勝手に決めるんですか」


「…へ?」






「私のことを知らないのに勝手なことを言わないで下さい、迷惑です」






私は知りませんでした

あの後顔を背けた時に
貴女がどんなに哀しい顔をしていたかなんて…
どんな思いで私にそういったかだなんて…


知ろうとも思っていませんでした






ーーーーーーー



「…雪さん」


誰もいないそこへ男の子がポツリと呟きます



その時暖かな風が吹きました



サァア










ごめんなさい










その言葉は風に運ばれどこへ行くのでしょう?







〜君に謝りたかったこと〜




彼の隣で少ししなれてしまった黄色い花が風に揺られていました



ーーーーーーー
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